子どものいない人生を選択「自分がおかしいのかな」とも

── ご主人は本当に理解のある、優しい方なのですね。いっぽうで、子どもを産まない人生を生きるつもりだったとのことですが、それについても伺ってもいいですか?

 

荒木さん:はい。親には愛情たっぷりに育てられてきたし、幸せに暮らしてきたのですが、なぜか子どもがほしいと思ったことがなくて。20代のころは、母や周りの人から「30歳を過ぎれば気持ちが変わるかもしれないよ」と言われていたのですが、いっこうにその気配がなく、「私が変なのだろうか」と思ったこともありました。

 

荒木美鈴
毎日のようにLINEで連絡を取り合う福岡のお母さんとは、何でも言える関係。写真は年2回の東京ツアーで

いっぽうで、子どもがいる人たちの話を聞くと、やっぱりお仕事を休まなきゃダメだよねとか、生活も子ども中心になるよねとか…いろいろ思うところがありました。

 

これまで頑張ってきた自分の仕事を認めてもらう感覚にすごくやりがいを感じていることもあって、子どもを産むという選択がどうしても考えられなくて。もし地方に住んでいて、今のMCの仕事をしていなかったら、考え方も違っていたかもしれないとは思いますが…。18歳からこの仕事を始めて、25歳で上京してからは10年以上、今の仕事でキャリアを積んできたので、自然と子どもをもつ選択肢がなくなったような気がします。

 

それに、いまって子育ては失敗が許されないような雰囲気を感じるんです。まわりの人たちと助け合うというよりも、どんどん個人の責任が重くなるように感じて。結局、自分が変わらないと成立しない生活は考えられませんでした。

 

── 妊娠・出産は、女性への負担がどうしても大きくなりがちです。

 

荒木さん:そうですよね。特に仕事面では、妊娠・出産して、自分のいたポジションに新しい誰かが入ったとしても、復帰したときにすぐ戻れて自分のキャリアが守れる保証があるならいいと思います。でも、実際は難しい。そう思うと、これまで積み上げてきたキャリアと周りの人たちからの信頼をこのまま守っていきたいという気持ちが強くなって。今年になって子宮の前がん病変が発覚し、子宮全摘を決断したことで、実際に出産自体が難しくなってしまいました。でも、後悔はありません。

 

私の選択は少子高齢化を進めているのかもしれないという自覚もあり、申し訳ない気持ちになるときもあります。現在は会社を経営しているので、子ども・子育て拠出金や税金を支払うことで社会に貢献したいという思いで、仕事を頑張っています。