病気を公表も「売名行為」と避難する声に

── 病気や手術は上野さんの仕事や人生にどんな影響を与えましたか。

 

上野さん:ものすごく大きな変化がありました。ミュージカルに出演できなかったことから声を使うほかの仕事をと司会業を始めたり、声が出なくなっても再び表に出て歌ったり、皮膚の障害を抱えてもモデルの仕事はできるんだって姿をみなさんにお見せしたいと思うようになりました。病気を抱えているからこそ、自分にしかできない希望の届け方があるんじゃないか。自分が進むべき道を教えてくれたような気がして、今では感謝しています。

 

── 病名を公表にしたことで、反応はありましたか。

 

上野さん:病気についてお話しする機会が増えました。ある意味、また別の表現方法が見つかった実感があります。まさか自分の人生を語ることになるとは思ってもいませんでしたが、現在進行形のリアルな話に共感いただくと、私自身も励まされますし、これは自分にしかできないことなのかもしれないと思います。

 

いっぽうで「売名行為だ」と非難する声もありました。もともと私は内気で人の表情でいろいろ察知し、人一倍考え込み引きずってしまうことがよくあります。ただ病気に関してはなぜか強気で、衝撃は受けましたが「そんなふうに感じる人もいるんだなぁ」と客観的に受け止めることができました。小学校高学年の頃、無視されるいじめにあった経験もあり、傷つけられることにも敏感なので、人に優しくありたいと思いつつも、自分で自分を褒めて愛してあげなければと思うようになったことも大きいかなと思います。

 

 

「病気を経験してから、当たり前のことに感謝できるようになり、幸せの指数が高まった」と語る上野さん。とはいえ、仕事がうまくいかず落ち込んだり、くよくよ悩むことも多く、常に自分と対話することでポジティブに転換する方法を実践しているのだそうです。2人に1人ががんにかかると言われる昨今、「病気とうまく付き合っていくには自分を責めず、希望を持つことが大切です」という上野さんのメッセージは、大きなヒントになりそうです。

 

取材:文 岡﨑優子 写真:上野ようこ