コンビの「センター」に押し上げた先輩・有吉の「取説」
── かつてはキャラの立つ関さんに注目が集まり、「じゃない方芸人」ともいわれた山本さんですが、いまは立場が逆転したのでは?と思うほどの人気ぶりです。まわりの芸人さんたちがわざと山本さんを怒らせるようなことを言って、リアクションを楽しむといったバラエティ番組が増えたような気がします。
山本さん:それはもう、明確に有吉さんきっかけです。僕の「取扱い説明書」を、知らないうちに配ってくれていたんですよ。どうしてそんなところに気づいて面白がってくれるんだろ?って不思議に思うくらいの視点でね。
有吉さんって、誰かを活かす天才なんです。数々の芸人たちが、有吉さんに「取扱い説明書」を配ってもらって、仕事が増えていったのを目撃しているので。コンビのなかでもガヤ扱いだったのが、気づけばセンターに押し上げられてた…という感じで。自分は確実にそのうちの一人だと思ってますね。
そうとなったらやっぱり、有吉さんや先輩方についていきたいじゃないですか。背中を押してくださっていることに応えたい。
最近は厳しいツッコミが好まれない「やさしい世界」になってきているから、逆に僕は助かっていると思うんです。誰にでもなんでも言っていい、みたいなかつての厳しい世界だったら、僕のキャラクターはたぶん活きない。でも、きっと誰もが本当はたまには厳しくツッコみたいんですよ。いい子になっているけど、昔の厳しい笑いもやりたいんだなって思います。僕は「かわいそうに見えない」なんて言われますけど、言い返したりして反撃してますから。結果、おいしい思いをさせてもらっています(笑)。
── リアクションはアドリブなんですか?
山本さん:全部そうです。芸人ってやっぱり、いじり方がうまいんですよ。僕が大きな声を出したら笑いに変わるのも、みなさんがレールを引いてくれているからで、僕はありがたく乗っかってます。「こうするんだよ」なんて一度も説明されたことはないけど、背中で教わっている感じです。いただいた仕事を、70点くらいで確実にお返しする。満点は取れないけれど、むしろそれが今の時代に受け入れられているのかなと思います。
取材・文:たかなしまき 写真:山本浩司