苦手な野菜も食べてみたら美味しく感じて

── ただ、そんな井手さんでも、長年やめられなかったものがあるとか。

 

井手さん:タバコですね。周りの芸人仲間が次々と禁煙していくなか、30年近くやめられなかったんです。でも、糖尿病が発覚する少し前に、39度の熱が出て、肺炎で入院したことがあって。レントゲンを撮ったら右の肺が真っ白でした。

 

ちょうど『たけし軍団40周年記念公演』の1か月前だったんですが、みんなに謝罪して、泣く泣く代役を立ててもらったんです。もう迷惑はかけられないと、それを機にきっぱりとタバコを断ちました。

 

ところが、退院が舞台初日だったので、座長の(つまみ)枝豆から「残り3日間、カーテンコールだけでも出られないか」と連絡が。(グレート)義太夫の前振りに合わせ、裸に獅子舞パンツ一丁で乱入し、どうにか笑いが取れました(笑)。

 

── 病み上がりで、裸に獅子舞パンツですか(笑)。さすがというか、なんというか…。

 

井手さん:軍団のみんなには「ずっとそんな恰好ばっかりしてるから病気になるんだよ」と、イジられましたけどね(笑)。もし今度50周年公演があるなら、次こそは万全の体調で臨みたいですね。

 

── 立て続けに病気を経験され、その後、健康に対する意識も変わったのでは?

 

井手さん:今はできるだけ自炊を心がけています。苦手な野菜も「健康のため」と言い聞かせながら食べるようにしたら、美味しく感じるようになって。体を気遣うのに、遅すぎることはきっとないんですよね。みなさんも自分や家族のために、定期的な検診は絶対に受けてほしいと伝えたいです。

 

 

今回、井手さんは徹底した生活改善で危機を脱しましたが、最も大きな教訓は「痩せ型で運動もしているから大丈夫」という過信の怖さでした。

 

皆さんの周りにも、「お酒を飲まないから」「太っていないから」という理由で、日々の過剰な甘いものや偏った食事をスルーしてしまっている人はいませんか?

 

「まだ大丈夫」という根拠のない安心感が、一番の健康リスクかもしれません。まずは自分や大切な家族の「無意識の習慣」を見直してみませんか?

 

取材・文:西尾英子 写真:井手らっきょ