ジェットコースターに一緒に乗っちゃった人生だけど

── お父さんが亡くなって10年経ちました。改めて、お父さんに対してどう思いますか?

 

野沢さん:父には振り回され、家族でジェットコースターに乗せられたような人生でした。普通のお父さんのように週末を一緒に過ごすこともなかったですけど、それでも不思議と父からの愛情は感じていて。尊敬する部分もあるんです。

 

事業で失敗しても諦めずに真っ直ぐに突き進む姿勢とか。私が子どものころから「女の人も手に職をつけたほうがいい。結婚がすべてじゃない」とも父は言っていて。当時では珍しかったと思うんですが、おかげで私は自由に、好きなことをしながら生きてきました。

 

父は病気で急激に体が弱り、亡くなりましたが、最後はやっぱり「ありがとう」と感謝の気持ちが大きかったですね。今、ふと改めて考えると、自分はすごく幸せだったと思えたんです。

 

 

「なんてことしてくれたんだ!」と再燃した父への怒り。けれど、どんなときも笑顔で「大丈夫」と隣にいた母の姿が、野沢さんに「父なりの歪な愛情」を気づかせてくれました。

 

皆さんは、親という立場になった今だからこそ、ようやく答え合わせができた「家族の記憶」や「親の想い」はありますか?

 

取材・文:松永怜 写真:野沢直子