「登板できるのは、当たり前じゃない」。10年祈り続けた初登板の日
── 旦那さんの活躍を10年間、一番近くで見守り続けてきた今の心境は?
早穂さん:メジャーに来てからグランドに立てることは当たり前ではないと、より強く感じるようになりました。何千と選手がいる中でベンチ入りし、先発を任されるのはごくわずかです。その厳しさを日々目の当たりにしてきて、一つひとつの登板がどれほど尊いものか実感しています。
夫がシーズン初登板を迎える日は、今でも感謝の気持ちが込み上げてきて、思わず感極まってしまいます。無事にその日を迎えられることが、決して当たり前ではないとわかっているからこそ、10年間祈るような気持ちで見守ってきました。
昨年帰国し、今年から東北楽天ゴールデンイーグルスの一員として、日本で新たなスタートを切ります。環境は変わっても変わらず夫を支えながら、家族で一日一日を大切に過ごしたい。今はその一心です。
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周りのスタイルに合わせるのではなく、自分が納得できる形で大切な人を支える。それは、異国の地で試行錯誤した彼女が見つけた、揺るぎない「自分軸」の答えだったのかもしれません。
皆さんは、周囲の「当たり前」に流されそうになったとき、自分なりの大切にしたい信念を、どう守っていますか?
取材・文:松永怜 写真:前田早穂 撮影:矢島太輔