2025年、右肘の手術を経てマウンドに帰還し、ドジャースのワールドシリーズ連覇に貢献した大谷翔平選手。その復活の陰には、日本の技術者たちが心血を注いだ「目に見えない守護神」が宿っていました。160キロ超の出力によって、頑強な試作品が次々と破壊されるという規格外の開発現場。そこで語られたのは、大谷選手の底知れない知性と、未来の野球界を見据えた「ある願い」でした。

試作品が粉砕。メーカーの「常識」を覆した大谷のひと言

「大谷選手のパワーは、私たちの想像を遥かに超えるものでした。商品が破壊されてしまったんです」

 

大谷翔平選手の肘用サポーター開発を担ったワコール・清家望さんは、当時の衝撃を語ります。

 

「メーカーとしては通常、商品が壊れたことは不良品を意味します。しかし、大谷選手は『壊れたということは、肘を守ってくれた証拠だから、ポジティブです』とおっしゃってくれた。その言葉を糧に、さらなる強度を求めて試行錯誤の日々が始まりました」

 

その結晶こそ、プロ野球選手およびメジャーリーガー限定で今年2月に発売された、肘用サポーター「CW-X Arm Brace」。ワコール独自のテーピング原理と、大谷選手のフィードバックを融合。ミリ単位で調整可能なワイヤー構造により、肘の可動域を制御し、投球動作を支える特別モデルです。