事故後の癒着で難航した手術。「排尿もできない」絶望の夜

── 入院や治療のつらさ、孤独とはどう向き合っていましたか?

 

鹿乃さん:私は26歳の交通事故で生死の境をさまよった経験があります。当時を思い出し、「あれを乗り越えたんだから、きっと私は大丈夫」と、自信になっていました。それに、当時は自分の医院を開業したばかり。スタッフたちが私の帰りを待ってくれているのに、立ち止まってはいられない。病院のことが頭にあったから、病気のことばかり考えずに済んだのだと思います。

 

── 手術後の経過も大変だったそうですね。

 

鹿乃さん:事故のときの開腹手術の影響で臓器が癒着しており、手術時間は予定より大幅に長引きました。術後は自力排尿ができず、カテーテルによる尿路感染で高熱も出て。さすがに人の手を借りないと排尿もできない状況には落ち込みましたが、「手術によって体内からがんが消えたんだ」という安心感のほうが大きかった。事故のときの壮絶な痛みに比べれば、耐えられると思えました。