「養子です」「そうなんだ」となる社会に

── まずは特別養子縁組制度の認知度を上げるところからですね。養子の当事者が悩んだり、怒りを感じたりするのはどのようなときでしょうか?

 

志村さん:私自身は、この制度に守られて幸せに生きてきたので、社会への憤りはいっさい感じていません。生みの親との手紙のやりとりで、相手に対して怒りを感じたことはありますが、養子という境遇をこれまで特別意識することはなく、家庭環境にも満足しています。

 

── 志村さんは、養子だという事実認識を含め、全体的にポジティブな印象を受けます。

 

志村さん:私のように、特別養子であることをもっとポジティブに考える人が増えたらいいのにと思います。どこで生まれたかより、どのように育つかのほうが重要ではないでしょうか?「養子です」と言ったら、「大変だね」ではなく、「そうなんだ」とふつうに返してくれる社会になればいいなと願います。

 

取材・文:岡本聡子 写真:志村歩