61歳、再び恋を探すも思わぬ壁に

Ryo Hayashi
全米でもトップ3に入るコメディ劇場「ニューヨーク・コメディクラブ」のオーディションに合格。全米各地を巡業したことも

── 離婚が成立してから、元奥さんとの関係性はどんな感じですか?

 

Ryoさん:離婚してからのほうがお互い幸せだと思います。今思えば、結婚しているときは彼女の生活スタイルのエネーブラー(支え手)になっていたのかも知れません。子どもがいても「Ryoがいるから酔っ払っても大丈夫」、みたいな感じですね。でも離婚した今は、彼女の問題を僕が抱える必要はありません。彼女も僕にジャッジされずに、生き生きしてるんじゃないでしょうか(笑)。今は協力し合って子供たちを育てる、仕切り線がくっきりついたプロフェッショナルな関係になれました。

 

今になって思うんですが、結局、僕は彼女を立ち直らせる役目があって、神さまのアレンジで出会い、その役目が終わったんだなと。そう勝手に納得してます。 

 

── 離婚後もスムーズに連絡を取り合っているということでしょうか?

 

Ryoさん:元妻が離婚後にできたバイセクシャルの恋人を紹介してきたり、娘たちにくっついて日本に遊びに来た彼女を僕の実家に泊めたりしています。こうした関係性は日本の友人からは「珍しい」と言われますが、風通しは最高です。

 

── Ryoさんは帰国後、中年男女が古民家で共同生活を送りながら恋愛を育むという恋愛リアリティ番組に一昨年出演。番組内でも最高齢で「還暦で離婚歴があっても恋をしたい」という強い意志を感じました。

 

Ryoさん:「還暦・離婚歴ありでも…」という表現に戸惑うくらい、この歳で恋愛をするのは、僕にとっては普通のことでした。日本より離婚率が高いアメリカで、中年以降も恋愛を楽しむ人を間近に見てきたからかもしれません。

 

── シングルになってからの恋愛は、順調でしたか?

 

Ryoさん:離婚してからは「解き放たれた犬」のように(笑)、ニューヨークでマッチングアプリを通じて次から次へと数年で100人ぐらいに会いました。ところが日本に帰ってきてからは、どうもうまくいきません。出会う女性には「外国人女性のほうが向いてそう」などと言われました。僕の表現が直接的過ぎたり、行動が積極的過ぎたりしたのかもしれません。そもそも日本では、同世代で同じような境遇の女性と出会う機会が極端に少ないんです。

 

── 日本でも、中年で独身の人は少なくないと思いますが。

 

Ryoさん:日本とアメリカでは中年のデート環境が違います。アメリカは離婚が多く、共同親権が多いので、男女とも新しい出会いを求める環境があると思います。でも日本では、離婚した女性がひとりで子育てを担うことが多いですよね。仕事もしていて大変なため、あまり外には出てこられないんだと思います。また、実際に知り合う機会があっても、「恋活」より「終活」にシフトしている人もいて、難しいものがありました。

 

── そうした状況のなかでも、いい出会いはありましたか?

 

Ryoさん:恋愛リアリティ番組の収録が終わった後にマッチングアプリで出会った女性と、1年ほどお付き合いしています。自立している女性で、僕と同じく離婚経験がありますが、お互いに心からリスペクトできています。すでに元妻や娘にも紹介していて、仲よくしてくれていますね。彼女も僕も、最初の結婚の失敗から学んだことを活かそうという努力をしていると思います。失敗して、「もう二度とあんな思いはしたくない」と思ったことで、「パートナーはもういらない」か「失敗を糧にしてもう一度トライしてみる」かで言えば、僕は後者ですね。

 

取材・文:石野志帆 写真:Ryo Hayashi