母のいきいきとした顔が見られて
── 現在は、どのような距離感で接しているのですか?
中山さん:「普通の親子の距離感」でいるようにしています。「仕事仲間」とか「先輩後輩」と考えてしまうと、お互いの思いやこだわりがぶつかってしまうのですが、母と息子の距離感を保とうと思えたら、気が楽になって。今では、YouTubeやTikTokなどの配信に親子で登場するなど、良好な関係を築けています。
今年、母は74歳になり、マイペースに芸人活動や旅行などのプライベートを楽しんでいます。専業主婦時代は、やりたいことも思いきりできずにつらい期間もあったと思いますが、今、いきいきとした笑顔を見られていることが息子としてもうれしいです。
僕の仕事も安定してきて、今では母に仕送りを渡せるようになってきました。母は、渡したお金をすぐに使い果たしてしまうのでその点が心配ではありますが(笑)。今後も、母らしく楽しく過ごしてくれたらと思っています。
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親子漫才にも挑んだ中山さんは、発達障害の一種である「ADHD(注意欠陥多動性障害)」であることを公表しています。最初に指摘を受けたのは、25歳のころでした。自身の特性を理解したことで、それまで悩まされた「遅刻癖」も改善できるように。自分と向き合えるようになったことで「今の自分がいちばん魅力的」と話し、前向きに人生を歩んでいます。
取材・文/佐藤有香 写真提供/中山功太