100キロ超えでグラビア挑戦「意外な需要が」

── 離婚して80キロから100キロになるまでどんな食生活でしたか?

 

ツベさん:離婚後は1日5食くらい食べていて、朝昼晩に加えて昼から夜の間にお菓子を大量に食べていました。晩御飯の後もコンビニに行って、おにぎりやパン、パスタ、お菓子など大量に買い込み、大きなビニール袋が2つくらい、たぶん4、5人で食べる量を毎日1人で食べていたんです。

 

お腹が空いて食べたいわけじゃなくて、何か口にしないとイライラしちゃって、心の状態を保てなかったんだと思います。かわいい服がどんどん入らなくなってきて、100キロを超えるまでは「さすがに3桁はマズいよな…」と思ったけど、100キロ超えたら何とも思わなくなりました。

 

ただ、SNSでの発信は続けていたので、どうせなら自分のぽっちゃりをいかそうかなって思ったんですよね。

 

── 自分の持ち味を生かそうと。

 

ツベさん:はい。SNSの投稿を見て男性のファンの方がついてくださったし、女性からも「その洋服や化粧品、どこで買ってるんですか?」って聞かれることが増えていて、自分に興味を持ってもらえたような気がしたんですね。

 

あと、自分と同じようなぽっちゃり体型の方がSNSで活躍している姿を見て、自分でももっといけるんじゃないかって思ったんです。もともと、細い体型の方のグラビアを見るのが好きで、グラビアモデルのイベントで写真撮影会に参加したり、写真集を買ったりして、写真集というものにも憧れがありました。

 

ちょうどそのころ、ぽっちゃり体型のインフルエンサーのお仕事の延長として、グラビア撮影の機会を得たんです。最初は恥ずかしいし、自分でいいのかなって躊躇していたんですが。でも勇気を持って挑戦してみたら、「三段バラになっているのがかわいい」「二の腕のたるみが魅力的」といった体型への意見もありましたね。

 

── 写真集即売会やファンイベントにも出られたとか。

 

ツベさん:はい。なるほどな、と思ったのは、ファンの方から「経済が不安定なときほどぽっちゃり好きが増える」と言われたんです。ふくよかな体型の人を見ると安心するし、大きくて柔らかそうな見た目から、包み込んでくれそうな包容力を感じるんだと。また、たとえばキャタクターにも丸みがあるデザインがたくさんありますが、赤ちゃんのようにフワッとした自然な丸みをイメージさせることでかわいらしく見えるようなんですね。もしかしたら、ぽっちゃりさんに関しても言えることなのかな、と思っています。

 

また、以前は何か食べていないと心の状態を保てなかった時期もあるんですけど、今はこうした経験を経て、過食も落ち着いたと思います。自分が考えもしなかったところに需要があることを知って、「かわいい」の基準はひとつではないと学びました。

 

 

体重150キロのインフルエンサーとして活躍を続けるツベさん。しかし、150キロの体重ゆえに、ファミレスでは椅子と机の間に挟まってしまうなど、日常生活で困ることも多いと言います。それでも、やせていたころと比べて、今の自分はさらに好きになったと言いきるツベさん。体型を活かし、自分のやりたいことを実現しながら、周囲にも評価してもらえる日々は、充実感に満たされているそうです。

 

取材・文/松永怜 写真提供/ツベルクリン反応