先天性の軟骨無形成症によって身長が115センチの後藤仁美さん。2024年には、第1子を出産。愛情を持って育ててくれた両親のように、自身の子どもの成長を見守りつつ、自分自身もあらたな一歩を踏み出そうと考えているところだそうです。

37週目に出産「心配な面もあったけど」

── 先天性の軟骨無形成症による低身長で身長115センチの後藤さん。モデルや俳優、イラストレーターとして活躍しています。2017年にご結婚し、2024年に第1子を出産されました。夫さんとのなれそめを教えてください。

 

後藤さん:一時期、洋服のお直し屋さんで働いたことがあります。彼とはそこで知り合いました。異色の雰囲気が気になって、その後、共通するところがたくさんあったこともあり、仲よくなりました。 

 

わたしは子どものころから、軟骨無形成症の自分だからこそできることがある、という思いがあって。「小さい体に合うファッションを発信したい」「軟骨無形成症についてたくさんの人に知ってもらいたい」と考えていました。その気持ちに共感してくれたのも、彼と一緒にいたいと思った理由のひとつです。 

 

── 結婚したとき、子どもについてはどのように話し合っていましたか?

 

後藤さん:子どもがいる人生もいいし、いない人生もいいけれど、この体で産み育てることができるなら経験したいとは思っていました。ただ、子どもも2分の1の確率で軟骨無形成症となるので、そのことで批判を浴びたり苦労したりすることがあるかもしれないという心配はありました。

 

しかし、わたし自身が幸せに生きているので、どちらの子が生まれてもいいと考えていました。夫は遺伝のことは以前から知っていて、同じように考えていてくれていました。おなかに赤ちゃんがいるとわかったときは、とてもうれしかったです。

 

後藤仁美
この小さな体で大きなおなかの姿を残しておこうと撮ったマタニティフォト

この小さい体で、ちゃんと大きくなるまでお腹にいられるのか、腰を痛めて動けなくなったりしないかなど、心配なことはあったのですが、経過は思いのほか順調で、大きなトラブルなく過ごすことができました。妊娠中に映画撮影やテレビの音楽番組でドラム演奏をする仕事にも取り組んでいたのですが、スタッフの方々の理解や配慮のおかげで、ムリせず仕事をすることができました。

 

妊娠37週目に予定帝王切開での出産となりました。無事に出産して、赤ちゃんの顔を見たときは生まれてきてくれてよかった…というホッとした思いと、やっと会えたという、愛しい気持ちでいっぱいでした。