小学校に上がる前に母を亡くし、父と兄の3人で生活をしていた芸人・フジタさん。しかし小学校2年生でKくんという同級生に出会い、人生が一変したと言います。(全3回中の1回)

小学2年生で父が突然、家を出ていった

フジタ
幼少期のフジタさんと兄

── 複雑な家庭の事情でフジタさんは小学校2年生からひとり暮らしを始めたそうですね。まずは子どものころの家庭について教えてください。

 

フジタさん:もともと父、母、兄の4人家族でした。父と母はお互い再婚同士で、12歳離れた兄は母の連れ子です。ただ、母は僕が小学校に上がる前に亡くなりました。

 

僕が家でゲームをしていたらおばあちゃんから電話がきたんです。「母に代わってほしい」と言われたので、家のなかを探しに行ったら、風呂場で倒れている母を発見して。びっくりして、近所の大人を慌てて呼びに行きました。まだ園児だったので、倒れている母の姿がとても怖くて、母に触れられなかったのは今でも覚えています。

 

── かなり驚かれたかと思います…。その後、父、兄の3人の生活になったのでしょうか?

 

フジタさん:母が亡くなって1年くらいは日中、お手伝いさんが来ていたのかな。ただ兄は高校を出て働いていたし、父は夜勤があるタクシードライバーだったので、ひとりで過ごすことが多かったんです。

 

── お手伝いさんが家にいたとは、金銭的には余裕がある家だったのでしょうか?

 

フジタさん:母は元旦那さんと死別しているんですけど、元旦那さんの家がお金持ちだったらしいんです。元旦那さんが亡くなって、そのまま母のところにもお金が入ったみたいで。だから、金銭的には苦しくなかったと思います。

 

ただ、そんな生活が小学校2年生のときに一変したんです。

 

── といいますと?

 

フジタさん:Kくんという子が転校してきたんです。何度かうちにも遊びにきたことがあって、お母さんが迎えにきたことがあったんです。そのときに父と出会って。Kくんの家はお父さんがいない、シングルマザーだったこともあり、早々に仲が深くなりました。

 

当初は互いの家を何度か行き来していたんです。でも、うちの兄がKくんのお母さんが家に来たときに激怒して。兄は僕とは血の繋がりがあるけど、父とはないんですよ。もともと複雑な家庭なのに、さらに「知らない女が家に上がり込んでいる」と言って。父と殴り合いのケンカに。それ以来、Kくんのお母さんはうちに来なくなったのですが、今度は父が相手の家に住むようになりました。

 

── お父さんはある日、突然相手の家に行ったまま帰って来なかったのでしょうか?

 

フジタさん:突然だったかな。でも、もともとタクシーの仕事で夜、家にいないことが多かったから、その延長くらいにしか思ってなかったような気がします。気づいたら小学2年生からひとり暮らしをしていました。