「朝起きたら鈍器で殴られたような強烈な頭痛があった」。2017年に左脳室内出血を発症した安田大サーカスのHIROさんは当時の様子をそう振り返ります。一時は生存率20%とも言われ、病室のベット脇で泣く両親を目にし、変わった人生観とは。(全2回の1回)
気づいたらベッドの上でした

── 2017年6月に左脳室内出血を発症。一時は医師から生存確率20%と言われていたそうですが、治療とリハビリを経て無事に退院し、現在は和歌山で暮らしているとのこと。まず、病気を発症したときの状況について覚えていますか?
HIROさん:朝起きたら、鈍器で殴られているような強烈な頭痛があって、トイレに駆け込んだんです。もともと偏頭痛持ちなんですけど、そのときは今までにない痛みと吐き気があったので、マネージャーにすぐ連絡してタクシー呼んでもらい、一緒に病院に行きました。
1件目の病院では「うちでは無理だから大きな病院で診てもらって」と言われ、すぐに救急病院に運ばれたんですけど、そのあたりから記憶があいまいで…。緊急でカテーテル手術をしたって聞いてるんですが、気づいたらベッドの上でした。
目が覚めて2、3日はボーッとしていたらしく、手を縛られたことはぼんやり覚えてるんだけど。僕、無意識にベッドで暴れたみたいで。たぶん、マネージャーと会社の偉い人がいたのと、おかんがすごく泣いていたような気がします。頭がスッキリしない状態でも、すごく心配させてしまってるんだなっていうのは覚えています。
── メンバーのおふたりもお見舞いにきたそうですね。
HIROさん:団長がめっちゃ泣いてくれてるなぁと思ったら、あとから聞いたら目にゴミが入って、目が痛かっただけだったみたい。クロちゃんはずっと時計見ながらソワソワしていて、仕事の合間をぬって駆けつけてくれたんやろうか…って思ったら、早くパチンコ行きたかったみたいですね。あとは、島崎和歌子さん、浅野忠信さんが来てくれました。
── 浅野忠信さんともおつき合いがあるのですね。
HIROさん:以前『アウトサイダー』という映画でご一緒したことがあって、そこからの縁です。和歌子さんは帽子とマスクをつけて来てくれたんだけど、浅野さんはあのまんまなんですよ。顔を隠すでもなく、普通に病室に入ってきたので、びっくりした人もおると思うんですけど(笑)。
── 思わず2度見しそうですね(笑)。入院は約1か月間だったと伺いました。
HIROさん:後半は体調がよくなって暇になってきたので、病院の廊下をひたすらぐるぐる歩いてました。1時間とか2時間くらい歩いて、看護師さんとたまにしゃべるとか気分転換させてもらって。当初、生存確率20%と言われてたらしいんですけど、だいぶ回復が早かったみたいで、先生が驚いてました。
── 病気をきっかけにダイエットもしたそうですね。
HIROさん:はい。体重はピーク時には198キロあって、トイレの便座とか風呂釜を壊したことがありました。それから番組の企画などでダイエットには何度か挑戦したんですけど、結局やせてはリバウンドの繰り返し。病院に運ばれたときはまだ140キロくらいありました。