アルビノの赤ちゃんの写真を見て「これ、私だ!」

神原由佳
高校時代の神原さん。日差しから目を守るために遮光レンズをつけて

── 当時、ご両親にご自身の身体症状について聞いたことはありましたか?

 

神原さん:なんとなく聞けなかったですね。親も説明してこなかったし、子どもながらに触れてはいけないような気がしちゃって。自分の体について、何か気にしてると思われるのもなんだか嫌だったというか。

 

── ご自身がアルビノと知ったのはいつくらいですか?

 

神原さん:小学生のころは「アルビノ」という言葉自体まだ知らなかったんです。でもみんなと肌や髪色など見た目が違うし、皮膚科や眼科に年に数回通いながら、私は人と何か違うんだろうな、とは漠然と思っていました。

 

自分がアルビノと知ったのは小学校を卒業する数日前です。小学校を卒業するときに、学校から「親に渡して」と、学校で保管された個人情報の書類を封筒に入れて渡されたんです。帰宅途中、何が書かれているんだろうって少しワクワクしながら書類を見てみると、特記事項の欄に「白皮症」と記載されていました。帰宅してインターネットで「白皮症」を検索すると、「白皮症」が「アルビノ」と呼ばれる遺伝子疾患だと知りました。

 

さらにいろいろ検索していくと、アルビノの子どもを持つ母親のブログにたどり着いて、髪の毛の色が私とそっくりな赤ちゃんの写真が出てきたんです。思わず「私だ!」と思うほど、私に似ていて思わず固まりましたね。その後も何度かそのホームページを訪れては、自分と同じ状態の人もいるんだと知って少しホッとした気持ちと、アルビノは病気と知ってしまった気持ちもあって、複雑な気持ちにもなりました。でも、今、大人になって当時を振り返ると、自分ひとりじゃないと知れたことは、幼少期の自分にはとても大切なことだったと思います。

 

 

現在、講演会などでアルビノについて発信する神原さん。もし街中でアルビノの人に会ったら「好意的無関心」でいてほしい、奇異の目を向けず、無視でもなく、知らんぷりしてもらえたらうれしい。そう伝えているそうです。

 

取材・文/松永怜 写真提供/神原由佳