妻たちがハマる不倫といえば、体の関係も当然セットであるように思います。ところがお話を聞いた妻たちによれば、彼女たちは「キスだけの不倫」に夢中なのだとか。体の関係はいっさいなしの相手、なのにどうしてそこまでハマってしまうのか…妻たちが心の底から求めているものとは、何なのでしょうか?
「恋愛ごっこ」だからいいんです(志乃さん/39歳/事務)
家に帰れば家事と育児で疲れ果て、考えるのはいつも、旦那の予定や生活のこと…とにかく「自分以外のこと」ばかりを気にする毎日を過ごしていました。そんなとき、職場に気になる男性があらわれました。
ふたりきりで話すとドキドキしたり、会えるとうれしくなったり…心が弾んでしまうのです。彼のことを、ちょっと思い出してはときめく「恋愛ごっこ」を楽しんでいました。そんななか、ふたりきりで飲みに行ったときのこと。
ついに「恋愛ごっこ」の延長で、キスをしてしまいました。旦那には申し訳ない気持ちもありました。でも、自分にはもったいないほどの男性との情熱的なキスに、心の底から快感を感じてしまったんです。
将来のことも生活のことも、ましてやつきあうことなんて考えてもいない、ただ熱いキスだけをする関係…真剣じゃないからこそ安心するなんて、自分でも変だと思います。でも、キス止まりの「恋愛ごっこ」が、いまはたまらないのです。
キスだけしてくれませんか?(里沙さん/37歳/秘書)
不仲ではないものの、旦那とはもう男女の関係はありません。その生活に不満はなかったのです。でもある日、職場の男性から突然「好きだ」と告白されました。
当然、おつきあいはお断りしたのですが「キスだけしてくれませんか?」と乞われ、「キスだけなら」とOKしてしまいました。(子持ちの人妻が、いまさらキスくらいで動じるのも…)と変なプライドがあったのも事実です。
ところが。キスするのは久しぶりだったこともあり、「ああ、キスってこんなに気持ちいいものだっけ…」と、予想外にときめいてしまって。
彼にもその思いが伝わってしまったのか、それからもふたりきりになると、「キスしてもいいですか?」と聞かれ、ついついOKしてしまいます。体の関係がなくてもこんなにも自分を求めてくれる彼の思いに、癒されているんですよね、きっと。
「キスしてくれる場所」が心の支え(麻里さん/35歳/会社員)
ある日、旦那が職場の女性と浮気していたことが発覚し、泣きながら行きつけのバーに飛び込みました。その日は他にお客さんがいなかったこともあり、店を閉めてマスターが朝まで話を聞いてくれると。
マスターとは長いつきあいでしたが、男女の関係になったことはありません。でも、そのときは癒しを求めてつい「抱いてほしい」と言ってしまったんです。ところがマスターは「麻里ちゃんのことが好きだから、それはしない」と。
そして、優しいキスだけを…そんなマスターに、心を打たれました。旦那とは結婚生活を続けていますが、また傷つくことがあっても「キスしてくれる場所」があるだけで、がんばれる気がしています。
この〝キスだけ不倫〟を法律的に見ると、一般的に「離婚原因」になる不貞行為としては認められませんが、「不倫慰謝料請求」では認められる可能性が。癒しを求めつつも「キスだけだから」と甘く見ていると…大変なことになりません。
ライター:矢島みさえ