ぱいぱいでか美という芸名を両親に伝えて「血の繋がりを感じた」
── 意外です。
でか美ちゃん:胸が大きいことって、本来はチャームポイントになると思うんですけど、私にとってはそうじゃなかったんです。雑誌に出ている胸が大きい子って、顔もかわいいじゃないですか。自分は「顔はかわいくないし…」と思っていたので、素直に受け入れられない部分がありました。
そんな自分がコンプレックスだと思っていたことを、こんなに真正面から言ってくる人がそれまでいなかったんです。だから、あだ名をつけられた瞬間に「大きい胸をチャームポイントと思っていいんだ」って、前向きな気持ちに変わったんですよね。だから、ぱいぱいでか美という芸名で活動をすることにしました。
── ご両親は、「ぱいぱいでか美」という芸名で活動していたことを知っていたのでしょうか。
でか美ちゃん:バンド名は両親に伝えていたんですが、自分の芸名がぱいぱいでか美だとは言っていませんでした。さすがに言えなかったですね。でも、20歳くらいのときに、実家のある三重県でライブをする機会があったんです。当時は本当に貧乏バンドだったので、ホテルに泊まるお金がなくて実家に泊まりました。実家に泊まって地元でライブをするとなると、もう隠し通せないなと思って、そのときに両親に伝えました。すごく緊張して「私、実はぱいぱいでか美っていう芸名なんですけど…」って。震えながら話しました。
── ご両親の反応はいかがだったんでしょうか。
でか美ちゃん:「めっちゃいい名前!」みたいな感じでした(笑)。さすがに「こんな芸名、嫌なんじゃないか」「怒られるんじゃないか」と思っていたので、「えっ、大丈夫なんだ!?」 って拍子抜けしました。父も「そんな名前で活動してるのか、おもしろいな」という感じで、意外とあっさり受け入れていて、逆にこっちがびっくりです。でも、よく考えたら、その芸名で活動しようと思う娘の親なんだから、そうですよね。考え方が似てるんだろうなと思います。両親の反応を見て「血って本当に繋がるんだな」と実感しました。

── おおらかなご両親ですね。
でか美ちゃん:そうですね。両親は近所の人にも「うちの娘は、ぱいぱいでか美っていう名前で東京でがんばっているから、応援してほしい」と言ってくれていました。実家に帰ると、「近所の人にサインを書いてほしい」と色紙を持ってきたりして、すごく応援してくれていました。近所の人も「優希ちゃんの芸名は変わってるけど、がんばってるね」って、温かく応援してくれています。