自閉症の兄妹アーティスト「KANTA&KAEDE」。石川県金沢市に住む2人の作品は、オニツカタイガーをはじめ、有名企業とのコラボ商品に採用されています。お絵描きや切り絵に夢中だった兄妹がアーティストとして活躍するまでには、一体どんなきっかけや経緯があったのか、母・輪島満貴子さんにインタビューをしました。(全2回中の2回)
貫太のお絵描きと「#かえでのチョキチョキ」で個性を伸ばす

── 貫太さんは、幼少期から絵を描くのが好きだったのでしょうか。
輪島さん:絵を描くこと自体は2~3歳から好きで、よく動物の模写をしていました。目に入った情報を自分で描けることがうれしかったんだと思います。そのうちキャラクターの絵を描くようになり、常にクレヨンを持って画用紙に向かっていて、だんだん人物がいっぱい入ったオリジナルの集合絵を描くようになりました。
── 楓さんが切り絵を始めたきっかけは何ですか?
輪島さん:楓の場合は、図鑑に大好きなプリンセスが着るようなドレスの切り絵が載っているのを見て、切り絵に興味を持ちました。図鑑に出ている通りの切り絵をしてほしいというので、私が折り紙を使ってドレスの切り絵ばかりを半年以上、作っていたと思います。毎日相手をするのが大変で、切り絵をだんだんあと回しするようになったら、待てなくなったのか自分で折り紙を切り始めました。そこからは大量の切り絵を自分でチョキチョキするように。
2人とも興味があることには集中力を発揮していたのですが、学校では興味がない勉強もしないといけない。でも「興味がある部分をもっと伸ばしてもいいんじゃないかな?」と思ったのが、貫太のお絵描きと「#かえでのチョキチョキ」(わが家では切り絵のことをこう呼んでいます)の始まりだった気がします。