閉経をしても、女であることから降りられなかった
── 今の中村さんには、シリコンよりもオムツのほうが必要だったんですね。
中村さん:今まで、「女」というテーマで本を書いたり、美容整形をしたり、女であることにこだわり続けてきたんですけど、ある時期から、「いつになったら女から降りられるのか」と思っていたんです。女を降りるタイミングがわからなくなっちゃって。閉経をしたら、自然と女を降りるのかなと思っていたんですけど、まったくそんなこともなかったですね。
── 美容整形をするなど、女性としての欲求を追求しているイメージがありました。
中村さん:そうですね。50代になってもずっと恋愛をして、着飾って遊びに行っていましたから。でも心のどこかで「私、いつまでこれを続けるんだろう。気持ち悪いな」って思っていたところもあったんです。女を降りるタイミングを見失って走り続けていたというか。もし、病気にならなかったら、今でも恋愛をして美容整形を続けて、シリコンも種類を変えて入れたりしていたと思います。でも、病気になってそういう欲求が一気になくなりました。女であることから、無理やり降ろされたわけですけど、降りられてよかったと今では思っていますね。
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