人生を半分背負うことになる覚悟

── 結婚して20年以上経ちますが、夫婦としての絆はどのように深めてこられたのでしょうか。

 

中村さん:特に大きなきっかけというのはないんです。ただ、夫と籍を入れようとなった当時、私は買い物依存症だったんですよね。それもいちばんピークの時期で、カードの支払い日になると出版社に原稿料を前借りしに行ったり、お金を集めるのに奔走していました。そんな私の姿を夫は間近で見ていたんです。それで、籍を入れるときに「結婚したら、この人の人生を半分背負うことになる」と考えたようで。その覚悟が自分にあるのか、自問自答したと聞きました。

 

── 旦那さんからしたら、かなりの覚悟ですよね。

 

中村さん:私は全然知らなかったんですけど、夫は当時、かなり迷ったらしいです。それで「この人の人生を半分、よくも悪くも引き受けよう」って決心したと後から聞きました。結局、買い物依存症の後も私はホストにはまって、また散財をしてしまい。そのたびに夫は「何してんのよ」ってムカッとしていたみたいなんです。でも「こういう人だってわかっていて、覚悟して結婚したんだから」って思っていたそうです。

 

── 知らないところで、旦那さんなりにたくさん考えていたんですね。

 

中村さん:そうみたいですね。それから私の生活もだいぶ落ち着きました。しばらくして、夫が「好きな人ができた」って言うから、自分の弟に彼女ができたような気持ちで喜んでいたんです。そしたら「その彼氏と同棲したいから、部屋を借りたい」って言われました。それで私が保証人になって、夫は彼氏と一緒に部屋を借りて契約しに行ったんです。後になって、夫から「あなたに対して本当に申し訳なく思っている。ごめんなさい」ってメールが来ました。