「ごはんと旅は人をつなぐ。」をテーマに、おいしいごはんや素敵な旅を通じて、人と人を繋ぐ。そんな活動をしている料理家・ダーダこと山田英季さんによる、連載エッセイ。山田さんの「今これが食べたい」を、作っているときの熱量も一緒にお届けします。今回ご紹介いただくのは、ひと晩待つことでさらにおいしさが増す「ぶりのごま油麹焼き」。
#43 ひと晩待つ喜び「ぶりのごま油麹焼き」
寒くなってくると、魚に脂がのりはじめる。そうなればそれを食べたくなるのは当然のこと。魚は、面倒だったり、難しそうだと思っている人が多い。でも実はそんなことはない。大概の魚は生でも食べられるし、たいていは塩を振って焼くだけでも、十分おいしい。
今回は旬のぶりを使って、ひと晩待つ喜びを感じられる「ぶりのごま油麹焼き」を作りたいと思います。
まずは、ボウルに塩麹、みりん、黒こしょう、ごま油を入れてよく混ぜ、漬け床を作ります。この漬け床は、鶏肉や豚肉にも使えるので、多めに作ってもいいかもしれません。
バットに漬け床の半分広げ、ぶりの切り身を乗せ、その上に残りの漬け床を塗ります。
そうしたらラップをかけて、冷蔵庫でひと晩おきます。これで、脂の乗ったぶりに麹とごま油の香りが移ります。西京漬けや粕漬けと似ていますが、こちらの方が簡単に作れるので気に入っています。
ひと晩経ったら、表面の漬け床をキッチンペーパーで拭き取り、魚焼きグリルやフライパンで焼きます。
つけ合わせは、青ねぎとレモン、そして、ごま油と相性抜群のキムチを添えました。
1月の台所三箇条
- 寒いときこそ、魚を食べるチャンス
- 塩麹で簡単漬け床を作ろう
- ごま油で風味をつけたらキムチを添えましょう
それでは、また。
「ぶりのごま油麹焼き」
材料 作りやすい分量(調理時間:30分/漬け込み時間を除く)
- ぶりの切り身……2切
<A>
- 塩麹………………100g
- みりん……………大さじ1
- 黒こしょう………少々
- ごま油……………大さじ1/2
つけ合わせ
- 白菜キムチ・青ネギ(小口ぎり)・レモン…各適量
作り方
①ボウルに<A>を入れてよく混ぜる。
②バットに<A>の半量を広げ、キッチンペーパー、ぶり、キッチンペーパー、残りの<A>を順に重ねて、冷蔵庫でひと晩おく。
③ぶりの表面を軽く拭き取り、魚焼きグリルか少量の油をひいたフライパンで焼く。
④器に盛りつけて、キムチ、青ネギ、レモンを添える。
料理製作・文・写真/山田英季 構成/松崎愛香