どんなアーティストでもステージには終わりがあります。62歳のロックボーカリスト・ダイアモンド☆ユカイさんも、いずれ訪れるマイクを置く瞬間を覚悟しています。だからこそ、果てないハートで今日もシャウトする!(全5回中の5回)

ロッカーであり続けるために必要なこと

── 1986年に伝説のバンド、レッドウォーリアーズの一員としてメジャーデビューしたダイアモンド☆ユカイさん。バンド解散後はバラエティや舞台など幅広く活躍しつつ、音楽活動を続けています。

 

ユカイさん:レッドウォーリアーズの実質的な活動期間は3年間だけ。ただ、解散後も何度か再形成をして、ここ5年くらいは1年に1回のペースで音楽活動を続けています。やっぱりバンドで歌うボーカリストというのは自分の本丸で、できる限りはロックを続けたい気持ちがある。でも、ロックの歌い方はふつうとはちょっと違うので、「いつまでできるのだろう」という気持ちもまたあって。オペラとかって、よくお腹から声を出して歌うって言うじゃないですか。それはそれでハードだと思うけど、ロックの歌い方は喉を使うから、また違う意味でハードなんですよね。

 

ダイアモンド☆ユカイ
「本当に還暦超えですか?」ダイアモンド☆ユカイさんの圧巻ライブの様子

── ロッカーとして長く歌い続けるために、日ごろ気をつけていることは?何かトレーニングはされていますか?

 

ユカイさん:やっぱり声も歳相応の衰えがくるから、気をつけるようにはしています。これまでいろいろ模索してきて、一時期は加湿器を4台つけて湿気で部屋中モクモクにしたり、寝ながら飴をなめていたこともありました。砂糖を使っていないお医者さんが作った飴です。あと、健康のため、酒を控えるようにしています。昔はよく飲んでいて、「酒と歌のどっちを取るんだ」なんて、ときもありましたけど(笑)。子どもを授かったときに一度断酒して、それからはしょっちゅうは飲まなくなりました。でも、やっぱり酒はうまいよね(笑)。そのうまさを知ってるから、なおさらスイッチが入る前にやめるようにしている感じ。

 

ただ、あれこれ試してはみたけれど、最終的にたどり着いたのは、規則正しい生活がいちばん大切ということ。まともな生活を送らないと、なんだかんだいってロッカーであり続けられないんだな、というのが自分の結論です。

飛べなくなったらロッカーとして衰えた証拠

── ロッカーというと、どこか自堕落なイメージもあったりしますが…。

 

ユカイさん:自堕落な生活をした人たちはみんな早く死んでるから(笑えない(笑))。睡眠をとらないと声は出ないし、きちんと栄養をとり、運動もして、身体をキープしないとダメ。ミック・ジャガーなんて80代だけど、いまでもジョギングしてるらしいよ。

 

ダイアモンド☆ユカイ
奥さんが描いたお気に入りのギターと

── ユカイさんも運動を?

 

ユカイさん:一時期走っていたけど、軟骨がすり減ってジョギングはやめちゃった。でも自分なりに運動はしています。まずラジオ体操から始めて、あとはブートトレーニング。一時期流行ったやつじゃなくて、自分で見つけたトレーニングです。家の中でできる運動で正味8分間。腕立てを60回やって、腹筋を30回、屈伸を30回。あと、その場でちょっと走る。それで、最後にジャンプ。ジャンプはロッカーにとっては重要だから。ライブの最後に必ずジャンプして終わる、というのが自分の使命。飛べなくなったらだいぶ衰えたんだなと思われそうだけど、いまのところはぜんぜん大丈夫ですね(笑)。