63歳で父親になったクリス・ペプラー。49歳で結婚した22歳年下の妻との関係にも変化が生まれ、これまで開けてこなかった自分の中の「新しい部屋」が開いたそうです。(全3回中の3回)
夫婦で呼び方が「パパ」「ママ」になって
── 2006年、49歳のときに22歳年下のタレント・君嶋ゆかりさんと結婚されました。長年、ディンクスで過ごしてきたおふたりですが、2020年に娘さんが誕生します。家族が増えて「夫婦のカタチ」にどんな変化がありましたか?
クリス・ペプラーさん:まず、お互いの呼び方が変わりましたね。それまでは、「なんでみんな子どもが生まれたら急に『パパ』『ママ』と呼び合うんだろう?」と不思議な気持ちだったんです。でも、子どもが生まれると、自然と自分たちもそうなっていましたね。なんなら、自分のことも「パパ」って言ってますから(笑)。
ただ、これまでの夫と妻という関係に、パパとママという役割が加わって、家族の絆が以前よりもグッと深まった気がしていますね。それまで、妻に対しては、家族というより、「一緒に生きていくパートナー」という感覚のほうが強かったかなと思うんです。ですが、子どもが生まれてからは、父性本能がグワッと出てきて、妻に対しても「守るべき存在」という思いが沸き上がり、「自分がこの家族を守っていくんだ」という意識が高まりました。
自分のなかに、これまで開けてこなかった「新しい部屋」がいくつかでてきて、「こんな部屋があったんだ」とビックリしています。
── 新しい自分に出会うような感覚だったのですね。
クリス・ペプラーさん:「え、こんな自分がいたんだ。はじめまして!」みたいな新鮮な気持ちがありますね。まさか、60歳を過ぎて、新しい自分に出会えるなんて思わなかったので、すごく楽しいし、刺激的ですね。妻とはつき合っているときを含めると、15年以上一緒にいるのですが、子どもを通じて、あらためて彼女の人間性の素晴らしさや女性としての魅力に気づかされました。
── たとえばどういうところでしょう?
クリス・ペプラーさん:娘に対する温かい接し方は愛情たっぷりだし、優しい表情、無邪気に笑っている顔を見ていると、すごく幸せな気持ちになります。「ああ、やっぱりこの人は、すごく優しくて心がきれいな人なんだな」と。だから僕は、彼女と結婚したんだったなと、あらためて妻への愛情を実感しています。
育児で大変な場面でも、イライラしたりすることもなく、常に娘と一緒に楽しむ姿勢で向き合っている。きっと、娘に対して、いい母親でいようと、彼女なりに懸命に努力して、自分をコントロールしている部分もあるんだと思うんです。娘にとって100点満点のお母さんだし、僕にとっても、彼女が奥さんでよかったなと心から思います。