夫への「家族としての愛おしさ」が増しています!

── それぞれが自立したいい関係ですね。長い目では、どんな夫婦像をイメージしていますか?

 

青木さん:ずっと恋人同士のような関係も素敵だと思いますが、わが家は夫婦というより「『子育て』というプロジェクトに取り組むチーム」だと認識しています。だから、このプロジェクトが終わったらどんな関係性になるのか、正直、まだ想像がつきません。

 

── 現在、ご主人に「もっと、こうしてほしい」と望む点はありますか?

 

青木さん:夫に子育てを自分ごととしてとらえてもらうまでは、多少せめぎ合いはありましたが、彼にとって自分ごとになってからは、精一杯やってくれていると感じています。お互い100%出しきっていると信じないと、信頼関係は成り立たないじゃないですか。自分と同じように相手ができるわけではないし、私にもたりないところはたくさんあります。もっとできるはず、と期待されるのはうれしいですが、あまり期待されすぎるとつらくなります。お互い100%頑張っているという納得感を持つほうが、円滑に進みますよね。

 

── お互い100%頑張っていると信じる、大切なことです。いま、青木さんにとってご主人はどんな存在ですか?

 

青木さん:子どもが小さいころは子育てに関する感覚の違いを感じて、「一緒に子育てをしていくことまで想定していなかった。私は間違っていたのかも」と、よその家がうらやましく見えることもありました。

 

でも、子どもが小学校に入って親同士の世界が広がってママ友と話をしてみると、どんなパパもそれぞれいろんな部分があるとわかり、私にとっては夫以上にいい人はいないように思えて、「私はこの人と結婚してよかった」という気持ちに変わりました。すべてを兼ね備えた理想のパパなんていません。そんなことわかっていたはずですが、子育て中だとわからなくなることもありました。最近は、こうして結婚し、家族として私みたいな人間とやっていけるのは、うちの夫くらいだなと思うようになりました。この人だからやってこられたと感謝しています。すごく好きという感じではないとしても、家族としての愛おしさは、だんだん増してきています。

 

PROFILE 青木裕子さん

あおき・ゆうこ。埼玉県出身。慶応義塾大学卒業後、TBSテレビにアナウンサーとして入社。『サンデージャポン』や『News23X』をはじめ、バラエティ・報道・スポーツ等多くの番組を担当。2012年末にTBSテレビを退職し、フリーアナウンサーとして活動をスタート。2児の母としての経験から、2024年に『3歳からの子育て歳時記』を出版。

 

取材・文/岡本聡子 写真提供/青木裕子、株式会社レプロエンタテインメント