ショッピングモールで子どもが走り出したら

なだぎ武
初めての抱っこ紐で泣かなかった、なだぎ武さんの娘さん

── お休みの日はどう過ごされていますか?

 

なだぎさん:ショッピングモールに連れていくことがありますけど、娘は好奇心旺盛でその辺を走り回りたくてしょうがないんですよね。バーって飛び出すこともしょっちゅうで、その都度ママが僕もびっくりするくらい大きな声で「そっち行っちゃダメ!」って言うんですけど。でも僕が子どもを見ているときに子どもが走り出したら、同じように言えないんですよね、なんとなく。抑え込むより、子どもが走りたいときは走らせてあげて、一緒について行くようにしてますかね。どうしても危ないときは抱っこしますが、最近は抱っこしようとしたら自分で動きたいみたいで、必死で離れようとしますけど。

 

── 娘さんと似ていると思う部分はありますか。

 

なだぎさん:何か発見してもなかったことにする感じとか。たとえば、大きくてちょっと迫力がある犬が隣に来たときがあったんですよ。娘は一瞬横目で犬を確認するんですよ。「何これ?なんか知らん、大きな生き物がきた」って。でも、サッと流して見るだけで、なぜか見なかったことにしてるんです(笑)。大きな犬だし、怖いなら泣くとか、驚くとか、何かしらリアクションをすればこっちも大丈夫だよって言えるんですけど、そうした表情はいっさい出さずに、私はほかのことに没頭してますよっていう見せ方をするんですけど。そこは僕と似てるかな。

 

犬がいることは意識はしてるんですけど関わりたくない。でも、どんなやつかって言うのは確認したい。だけど巻き込まれたくないっていう、わが子ながらどんな本能なんでしょうね。

 

── こんな子どもに育ってほしいと思うことはありますか?

 

なだぎさん:特にないというか、考えないようにしています。人に迷惑かけなければいい。スクスクと育ってくれればいいなって。僕もあんまり親に言われることなかったんですよ。自分で決めたことはそうしたらいいよっていう親だったので。その結果いろいろよかったなって思うことが結構あるので、子どもが好きなように伸び伸びとしてくれたらいいなと思っています。

 

PROFILE なだぎ武さん

なだぎ・たけし。1970年生まれ、大阪府出身。お笑いタレント、漫談家、俳優としても活躍。R-1グランプリで2007、2008王者。

 

取材・文/松永怜 写真提供/なだぎ武