学校にしか居場所がないと思ってほしくないから
── IQを維持するために、していることはなにかありますか?
チャンさん:IQというのはなにもしないと、能力が少しずつ落ちていくようですね。今は算数の教室に通いながら、そろばんや図形の勉強をしています。僕から見たら難しい図形問題や計算問題もスラスラと解いていて…驚きます(笑)。娘の長所を理解しながら伸ばしてあげることが大切だと感じています。
── ご本人はご自身のIQの高さには気づいているのでしょうか?
チャンさん:本人はまだ知らないし、わかっていないと思います。実はメンサ会員になったのも教室に通っているのも、お守りのようなもので。IQの高さなどに関係なく、どのように成長しても今後学校が嫌になることがあるかもしれない。そういうときに、学校にしか居場所がないとは思ってほしくはなくて。頼れる人や自分の理解者が学校以外にもいることが子どもにとって大切かなと思っています。
実は長女も次女も、赤ちゃんのころに「赤ちゃん研究員」という赤ちゃんの発達調査プロジェクトの研究員に登録しました。「赤ちゃん研究員」とは、赤ちゃんだけが参加できる研究で、赤ちゃんのメカニズムを研究したい人たちのお手伝いをした人にだけ与えられる称号です。世の中の役に立つ体験を赤ちゃんのころからさせたいと思い、参加しました。こういうふうに、子どもたちのお守りになるような経験や学校以外の居場所を、そのときどきで増やしています。
── チャンさん自身、ベビーマッサージインストラクター、ベビーヨガインストラクター、おもちゃインストラクター資格など、子どもに関わる資格をたくさんお持ちですね。
チャンさん:できるだけ育児に役立つことはしたいと、ベビーマッサージとベビーヨガは通信で取得しました。試したものの子どもがベビーオイルがお肌に合わないケースが多く、せっかく取得したのですが子育てにはあまり活かせませんでした。
ただ、おもちゃインストラクターは取ってよかったです。資格を取りにきていたのは幼稚園や保育園の先生が中心で、僕のように個人的に来ている人はいなかったのですが、これを学んだことで身近なものでおもちゃを作れるようになりました。たとえば市販されているようなおもちゃがない場所でも、新聞紙を使ったちょっとした遊びや牛乳パックでの工作ができます。新聞紙や牛乳パックなら分解して捨てるという片づけまでいっしょに行うことができるんです。知育について学べたことは、今になってよかったと思っています。
── 子育てにおいて夫婦で決めていることはありますか?
チャンさん:子どもが疑問に思ったことは、すぐにお出かけをして実物を見せることです。最近は水族館で小さな渦潮を見た子どもたちが、渦潮がどうやってできるのか疑問に思ったので、徳島まで鳴門の渦潮を見に行きました。船に乗って間近で渦潮を見た後に、うずしお科学館に行って原理などを学んだことで、子どもたちにとってそれがきちんと知識になったようです。
また、世界の絵を見に美術館に行ったことがあるのですが、その後でテレビにゴッホやモネの絵が映るとわかっているようなので、実際に見たものが知識として蓄積しているのを感じます。
実はどちらも仕事でロケに行ったことがある場所なんです。僕の仕事はロケがとても多いので、最近ではロケが家族旅行の下見になっていますね。
PROFILE チャンカワイさん
ちゃんかわい。1980年生まれ、奈良県出身。2000年に現在のコンビを結成し、2008年にコンビ名を現在の「Wエンジン」に改名する。近年はロケの仕事が多く、年間で250本以上こなすことも。私生活では2015年に結婚、2人の女の子の父。
取材・文/酒井明子 写真提供/チャンカワイ