2010年に大ブームを起こした、エンターテイメント集団「あやまんJAPAN」。リーダーのあやまん監督は39歳で12歳年下の今の夫と出会います。子どもが欲しいと願っていたので、結婚の話が出る前に妊娠・出産について夫に話を振ったところ── 。(全4回中の1回)
助成金がもらえるうちに不妊治療を始めたかった
── 2023年に結婚、出産をして現在、子育て中ですね。パートナーと結婚するまでの経緯を教えてください。
あやまん監督:20代のころから彼氏がずっといなかったのですが、39歳で12歳年下の今の夫と仕事を通じて出会いました。ひと回り以上も年下なので最初は恋愛対象外だったのですが、彼はホメ上手なところがあり、会うたびに「あやまんJAPANは本当におもしろい」と好意的なコメントをかけてくれて。それならば試合=飲み会に参加してもらおうと彼の会社の方たちとよく飲むようになり、そこから距離が縮まりました。
私としては年齢的に結婚に対して気になる部分はありましたが、特にそのことには触れずに2年ほどつき合って同棲することに。ただ、私自身は30代半ばになってから、当時のメンバーのファンタジスタさくらだの出産など周りの環境の変化に伴い、急に沸々と子どもがほしいと思うようになり、「不妊治療の助成金が受けられる42歳のうちに治療を受けたい」という気持ちが強くなっていきました。それで思いきって「私たちは今後どうする?子どものことは考えたことある?」と聞いてみたんです。
── 結婚の話が出ていない段階でそれを聞くのは、勇気がいりますね。
あやまん監督:「触れてはいけない話題」という空気はありましたね。ただ、年齢のこともあるので思いきって話してみたところ、彼もできれば子どもがほしいと思っていることがわかりました。それならば時間も限られているので、さっそく病院で診てもらおうということになったんです。
実は私は30代半ばころの検診で、子宮筋腫があると診断されていました。出産予定がなければ経過観察でよかったのでそのままにしていましたが、年々生理が重くなるし、出血量が増えて貧血になるなどの症状は感じていたんです。で、いざ不妊治療を受ける段階で病院の先生に相談してみると、やはり筋腫があると妊娠しづらいし、お腹で子どもが成長しづらいケースもあるので、先にそちらを治療したほうがいいということになりました。
── そこから子宮筋腫の治療を行ったんですね。
あやまん監督:子宮筋腫の手術を行うと術後半年は妊娠できないということだったので、手術前に卵子を体外に取り出す採卵を行いました。採卵はスムーズにいったのですが、つらかったのはその後の手術。私の場合は筋腫が19個もあったので腹腔鏡手術では難しく、全身麻酔の開腹手術をすることになりました。
手術は成功して500gほどの筋腫を切除したのですが、術後が本当にしんどくてしんどくて…。足に血栓症を予防するためのポンプを、尿道に管を入れて寝ているのですが、寝返りが打てず体は固まってしまうし、痛み止めを使ってもすぐに痛くなるし、看護師の方を頻繁に呼ぶのも申し訳ないという感じでした。1週間ほど入院しましたが、その間は手術なんてしなければよかったと後悔しましたね。
彼は「妊娠=入籍」ではなかった
── 手術後、不妊治療はどのように行ったのでしょうか?
あやまん監督:年齢のこともあるので何回も治療を行うよりは、確率の高い方法を1回目から試すことに。運よく初めての移植で成功して、無事に妊娠することができました。採卵前や治療前にはホルモン注射を打たないといけなかったのですが、病院に毎日行くのは難しいため、自分でお尻に打つこともありました。自分でお尻に注射を打つこと自体も大変なのに、外出しているとそれを出先で行わなければいけないこともあり、あれはなかなかつらい経験ですね。控え室で注射を打ったこともありました(笑)。
── 妊娠がわかったときは、どのような気持ちでしたか?
あやまん監督:周りの友人でも妊娠はしたけれど無事に生まれてこなかったケースがあるので、妊娠前からあまり期待しすぎないようにはしていました。期待したぶん、後から落ち込むほうがつらいですからね。一度で成功したことに関しては、周囲から「さすが、あやまんだね!」と。ホッとした気持ちもありましたが、手放しでうれしいというだけでなく、年齢的なこともありますし、やはり不安でしたね。
── 旦那さんはいかがでしたか?
あやまん監督:私は子どもができたら当たり前のように入籍をすると思っていたのですが、実は彼は「入籍するつもりはない」ということがわかりました。子どもをいっしょに育てる意思はもちろんあったのですが、結婚に対してあまりいいイメージがなかったようです。
最初は驚いたものの、その後パートナー制度などについて調べてみると、私自身も結婚にこだわりがないかも…と考えるように。大切なのはお互いの気持ちで、そのときはそれよりも無事に出産することのほうが大事だと思いました。ただ、彼も周囲からいろいろとアドバイスを受けて考えが変わったようで、結局は出産前に入籍をしたんですが…。