かわいいリボンをつけていた娘が成長すると

斉藤慶子
慶應義塾大学大学院の入学式にて

── 47歳で離婚されたとき娘さんは小学生だったそうですが、シングルマザーになって変化したことはありますか?

 

斉藤さん:娘ファーストなのは変わりません。親子ゲンカすることはありましたけど、あなたがいちばん大切だよっていうことはずっと伝え続けてきました。娘が小さいころからお願いしてるシッターさんがいたので、家に帰ってきても誰もいないということは、ほぼなかったんじゃないかな。私の友だちもたまに遊びに来てくれることがありましたし、なるべく楽しい時間を一緒に過ごすように心がけましたね。

 

また、特に反抗期らしい反抗期もなかったんですよね。娘が小さいときは私が着せたい服を着せて、娘がしたい髪型にしてあげて、リボンもつけて、髪の毛も私が切ってあげていたんですよ。でも、だんだん自我が出てくるし、服だって自分でお店に行って買うようになって。そうなるとひとりの大人だから、程よい距離感で見守るようになりました。

 

── ご自身と娘さんが似ていると思う部分はありますか?

 

斉藤さん:ものの判断基準が一緒ですね。娘が小さいときはまったく思わなかったのですが、社会人になって自分でより物事を深く考えるようになると、思考が似ているような気がします。迷ったり自分では判断が難しいと思うときは私に相談してきますね。なんだかんだリスペクトしてくれているのかな(笑)。

 

まぁ、そうは言っても普段は私がLINEしても既読スルー。でも、既読スルーも全然、気にならないんです。よっぽど返信がほしいときは「この服どう、かわいい?」って、何かの写真と一緒にLINEを送ります。そうするとうっかり開く。それくらい自分に用事があるときしかメールもLINEも来ないです。今も「ご飯食べる?」と聞いても「時間があったら行くわ」とサラッとしてるし、「友だちとはお酒飲むけど、ママとはお酒飲まないよ」なんて言われていますが(笑)、娘が元気で楽しく過ごせているなら、あとはいいかなと思っています。

 

PROFILE 斉藤慶子さん

さいとう・けいこ。1961年生まれ。宮崎県出身。82年大学在学中にJAL沖縄キャンペーンガールに選出されて芸能界へ。モデル、俳優、タレント、番組司会など幅広く活躍。現在は1児の母。

 

取材・文/松永怜 写真提供/斉藤慶子