父として尊敬されるより友達の関係でずっといたい
── 父としての理想像はありますか?
スギちゃん:「父として尊敬される」とか「憧れられる」とかはどうでもよくて。友達の関係でずっといたいですね。最近、子どもに頼まれたことをうまくできなかったりすると「お父さんが遊んでって言っても、もう遊んであげないから!」って言われるんですよ。それがショックで俺も「イヤだ!」って言い返すんです(笑)。脅し文句がかわいいでしょう?
ロケ先で仲のいい親子と話したりすると、お母さんと娘さんが仲がいい人は、だいたい親子関係というより友達感覚ですもんね。そうなりたいんですよね。いくつになってもご飯食べに行ったり酒を飲みに行ったりして、一緒に遊んでいたいんですよね。
── その気持ちわかる気がします(笑)。子育てを経て、働き方に変化はありましたか。また、理想の働き方についてビジョンがあれば教えてください。
スギちゃん:仕事は無理せず続けていきたいし、いただけるお仕事はうれしいからやりたいですよ。ただ、子どもができてからは休みがあっても焦らなくなりましたね。昔は仕事がないと「ヤバいな」と思ってたんですけど、今は休みだったら休みだったで「子どもと遊ぶ時間なんだ。配偶者と交代する時間なんだ」って思うだけですね。子どもが遊んでくれる時期って本当に少ないと思うんで、その時間を大切にしたいんです。いちばんいいスタイルですね。
本来だったら、今俺が仕事に行くときは配偶者に子どもを見てもらってますけど、どこの現場にも子どもを連れていける環境になったらいいな、と思います。それも俺たちみたいな職種だけでなくて、どんな仕事の人でも。そういう環境が当たり前になったら、子どもが仕事の邪魔と思われないような世の中になるんじゃないかって思います。
PROFILE スギちゃん
1973年、愛知県生まれ。95年にお笑い芸人として活動開始、2012年「ワイルドだろぉ」の決め台詞で『R-1ぐらんぷり』にて準優勝を勝ち取りブレイク。プライベートでは2児の父でもある。
取材・文/市岡ひかり 写真提供/スギちゃん