テレビなどでみかけるハリー杉山さん(39)は、いつも楽しそうに見えます。陽キャだから?そんな見方を一蹴してくれたインタビュー。好きなものにとことん取り組み、人生を楽しむ背景には、大好きだった父の言葉がありました。(全5回中の5回)

「うちの家計は大丈夫なの?」13歳から始めた家計簿

ハリー杉山さん
マラソンは3時間切り。ストライドが広くてうらやましい!

── ハリーさんは13歳から家族のお金まわりを管理し、家計簿をつけているそうですね。きっかけを教えてください。

 

ハリーさん:家族の一員として家庭の支えになりたかったし、経済状況を知りたかったんです。当時、僕の家庭は東京都港区とロンドンのチェルシー地区に、それぞれでアパートに住んでいました。通っていたウィンチェスター・カレッジも学費はかわいくなかったです。大富豪だったり、莫大な財産があったりするなら問題ありません。でも、そのころ父がフリーランスとなり、収入に波が出るようになりました。父は『ニューヨーク・タイムズ』の東京支局長などを経験した、超一流のジャーナリストです。

 

でも、子ども心に「うちの家計って大丈夫かな?お金の管理をしないと大変なことになるかもしれない」と心配でした。だから「うちって、毎月家賃をいくら払っているの?」と聞いたのが、最初のきっかけです。

 

── 13歳とは思えないほどしっかりした考え方ですね。家計簿をつけるおもしろさはどんなところにありますか?

 

ハリーさん:ゲーム感覚で家庭の収支がわかるところです。当時は、僕が家計を全部把握していました。今月の稼ぎに対し、どれくらいお金を使っているのかを把握するだけでも、金銭感覚は大きく変わってきます。以前は、手書きで家計簿をつけていたんです。ボールペンで赤、青と色分けし、収支をしっかりつけるのが楽しみでした。現在も家計簿はつけています。さすがに手書きは効率が悪すぎるので、エクセルで管理するようになりました。家計簿をつけると、細かいところにも目が行き届くんです。買い物で貯まるポイントも、いかに効率よく貯めるかにこだわっています。「このクレジットカードはあんまりポイントが貯まらないな」など、気づくことが多いです。もともと数学が好きだから、家計管理も苦にならないのかもしれません。

趣味をもつとメンタルをリセットできると実感

── フルマラソンにも取り組み、イギリスのサッカーチーム・アーセナルFCを熱烈に応援するなど、好きなことにとことん取り組む印象です。

 

ハリーさん:サッカーもマラソンも、僕にとってはセラピー的な要素があるんです。サッカーは、何歳になっても応援することができます。マラソンはイライラしたときや、自分のことを見失いそうなとき、悩んでいるときも、嫌なことを全部忘れられます。メンタルをリセットできるんですよね。マラソン友だちができるとますます楽しくなるし、健康にもいいし、楽しいことだらけです。

 

ハリー杉山さん

もともと楽観的で、人生を楽しもうとしているタイプですが、クオリティ・オブ・ライフを上げることはとても大切だと思っています。自分の経験や、実践してみてよかったことを、誰かに伝えたいんです。タレントとして活動するなかで、僕の役割は「こうしたら人生が楽しくなるかもしれないよ」と、伝えることではないかと思っています。父を介護した経験や、マラソン、サッカーについてなどについてお話しして、誰かの心に灯をともせるとしたら、これほどやりがいのあることはありません。