出産前から夫と準備していたこと

お子さんと

 

── 共働きの家事育児は、どうしても母親の負担が重くなりがちな傾向がありますが、おふたりはパートナーシップを上手にとられていますよね。なにか工夫をされていらっしゃるのでしょうか?

 

福田さん:夫婦のどちらが子どもの面倒を見ることになっても問題のないようにしておきたいというのは、生まれる前からずっと考えていたことでした。そのため、できるだけ夫に育児を自分ごとに感じてもらえるように、妊娠中から、あらゆることを共有してきたつもりです。つらいことや不安な気持ちをLINEで逐一報告したり、体の変化について知って欲しくて、関連記事のリンクを貼って送ったり。夫にあまりプレッシャーをかけてもなあ…とは思いましたが、いま思えば、かなりの量を送りつけていましたね(笑)。

 

ただ、すべてを知って一緒に考えてほしいというわけではなくて「子どもを産むということはこれほど不安で体も大変なんだよ」ということをわかっておいてほしいという思いがありました。だって、何の苦労もないまま、いきなりパパになるのって、ズルイじゃないですか(笑)。

 

── たしかにその通りですね。10か月間お腹に子どもを宿し、心と体がだんだん母になっていく女性と違い、男性は生まれてすぐにパパになるので、どうしても温度差が出てきてしまいます。生まれるまでの過程を共有することで、パパにとっていい準備期間になりますね。

 

福田さん:そのほうが育児への興味や関心に繋がるだろうと思いましたし、子どもが生まれるワクワク感も共有できれば嬉しいなと。おかげで、不安をひとりで抱えこまずに済んで心強かったですし、ウザがらず、ちゃんと向き合ってくれた夫に対し、より信頼感が増しました。

 

── 夫婦の絆を深める時間にもなったのですね。

 

福田さん:そうでしたね。出産は、予定日から1週間遅れだったのですが、いろいろとハプニング続きでした。直前にコロナに感染してしまったり、出産時に、無痛分娩の麻酔の影響で40度を超える高熱が発生したり。しかも、子どもが3980グラムもあって、900ミリくらい出血したりと、大変でした。産後は、看護師さんにオムツの替え方やミルクの作り方などを教わりますが、私が夫に伝えるよりも、一緒にレクチャーを受けた方が、より自分事に感じてもらいやすいと思ったので、「直接夫にも教えていただいていいですか?」とお願いしました。

 

── いろいろと計画的に進めてこられたのですね。

 

福田さん:夫が主体的に、育児や子どもに向き合えるような環境を整えてきたつもりですが、「俺がやるべきことをやっているだけだから」と前向きに受け止めてくれたので、助かりましたね。

 

PROFILE 福田典子さん

ふくだ・のりこ。1991年、福岡県生まれ。立教大学経営学部卒業後、2013年にRKB毎日放送に入社。16年6月に退社し、同年8月テレビ東京に入社。24年3月末に退社し、同年4月、歯科医療系のメディカルテック企業SCOグループに転職。広報ブランディング部COC(Chief Oral health Communicator)に就任。フリーアナウンサーとしても活動中。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/福田典子