そのときだけ、思い出す人でいい
── お子さんたちが成長されて、長男の翔貴さんは俳優に、次男は大学生、三男、四男は海外の学校に通われてから、多忙だった時代にくらべて生活も変わっていったのでしょうか?
白城さん:2年前に三男、四男が海外の学校に行ってから生活が一変しました。お弁当作りから解放されたし、洗濯物が減ったし、睡眠時間もたっぷりとれて、ここ数年はよく眠れています(笑)。何より自分の時間が増えました。ようやく20年ぶりにやりたいことをやっていて、今はガラス工芸を本格的に習いに行ったりして楽しいですよ。
── あまりにもにぎやかだった生活からお子さんたちもそれぞれの道を進みだして、寂しさを感じることはありますか?
白城さん:みんなに「寂しくない?」ってたまに聞かれるんです。たしかに三男と四男を空港に送り出すときは「あー、行っちゃった」って思いますが、家に戻ったら長男と次男もいて、いつも通りご飯も作りますし。寂しさは送り出したときだけですね。今はリモートでも定期的に話をしているので、顔を見ながら話ができるのは今の時代のよさだなと思います。
── どれくらいの頻度で連絡されるんですか?
白城さん:1週間に1回とか、用がなければ連絡してこないですし、私からもよっぽど何かない限りは連絡しないようにしています。彼らがアートの授業でこういうものが必要だから送ってくれる?と言われたら送ったりするくらい。彼らのリクエストにはしっかり応えようと思いますが、自分から「ああしなさい、こうしなさい」とはあえて言わないようにしています。20歳前後ともなれば自分たちの世界がしっかりあるので、親を思い出すことはそんなにないんじゃないかなって思うんですよね。でも、それは逆にいいこと。海外で充実した学校生活を過ごせているだろうから、こっちから連絡しなくてもいいんじゃないかと思っています。何か困っているときに連絡が来るので、そのときだけ思い出す人でいいやって思っているんです。
PROFILE 白城あやかさん
しらき・あやか。元宝塚歌劇団・星組トップ娘役として活躍し1997年3月に退団。98年6月にタレントの中山秀征と結婚。4人の子どもの母。
取材・文/松永怜 写真提供/白城あやか