42歳のときに31歳年上の元TBSアナウンサー・山本文郎さんと再婚した山本由美子さん。「財産目当て」など言われなき発言を浴びながら、夫婦で出したある結論とは。(全4回中の2回)

『新婚さんいらっしゃい!』で本音も

 

── 31歳という年齢差を超えての結婚は、当初、大きな話題を呼びました。由美子さん自身は、結婚に迷いや葛藤を感じたことはあったのでしょうか?

 

山本さん:“そんな年齢差で恋愛に発展するなんて…”と思う人もいるかもしれませんが、ウマも合うし、何より尊敬できる。私としては、なにも違和感はありませんでしたね。

 

もともと大手企業で社長秘書として働いてきたので、かなり年配の方と接することが多く、私自身も年上の方といるほうが落ち着く感覚がありました。しかもブンさんとは、子どもの頃から、兄の音楽活動を通じて家族ぐるみのつき合いが長かったので、お互いの人間性もよくわかっていました。彼といると、“本来の私らしくいられる”という安心感があって、とても心地よかったんです。

 

── 親御さんに反対されることはなかったですか?

 

山本さん:むしろ大賛成でした。昔から、親のほうがブンさんと仲がよく、父とは床屋にも一緒に行っていたくらい。温かい人柄に、家族みんながほれ込んでいましたから。

 

そもそもうちの親は、偏見がまったくない人たちで、“お互いがいいと思える相手なら、それが一番”という考え方。ですから、“超えるべきハードル”は、私の側にはなかったんです。主人の母親も親戚たちも「由美ちゃんがそばにいてくれて安心」と言ってくれ、喜んでくれました。

 

ただ、兄からは、「著名人との年齢差婚で、世の中からバッシングを受けるのはお前だよ?それに耐えられるなら結婚しな」と忠告されて。でも、“彼と子どもたちと一緒にいられるのなら、そんなの全然平気だから!”と答えていましたね。

 

── 実際、歳の差婚をセンセーショナルに報じるメディアも少なくありませんでした。ご本人としては、バッシングをどんなふうに受け止めていたのでしょうか?

 

山本さん:今でこそ“結婚も多様化の時代で、本人たちの問題だよね”と年齢歳があっても前向きに受け止める風潮がありますが、当時はまだ珍しかったこともあって、ネガティブな見方をする人が多いことはわかっていました。メディアには、“玉の輿”と書かれたり、挙句の果てに、“財産目当て”なんて、心無いことを言われたことも。想像していたこととはいえ、さすがに堪えましたね。私自身、仕事が大好きで、きちんと自立をして働きながら子どもを育ててきたのに…とショックでした。

 

でも、もともと生粋の江戸っ子で、なんでも正直にモノ言うタイプですし、隠し事も好きじゃなくて。ブンさん自身もワイドショー的な番組をやってきたので、「これまで皆さんにマイクを向けてきたのだから、自分が向けられる立場になった時には、ちゃんと話すのが筋だろう」と。だから、2人とも“こそこそする必要なんてないよね”と前向きに受け止め、“どうせなら、自分たちから打って出よう”と考えたんです。

 

── どういうことでしょう?

 

山本さん:マイクを向けられたら、真正面からきちんと答える。夫婦でトーク番組にも出演し、どんな質問も包み隠さずお話しました。ブンさんとの子ども時代からの繋がりや、お金のこと、『新婚さんいらっしゃい!』では、新婚生活についてもコミカルにお話したら、大ウケ。“絶対に桂三枝(現・桂文枝)さんをあの椅子から転げ落とすゾ”と、やる気まんまんでのぞんだので、「やった!」と、心のなかでガッツポーズをしました(笑)。皆さん、知りたいのはそこだろうなと思ったので。その時は、初の芸能人大会の回だったのですが、見事優勝し、三枝さんのブロンズ像をいただいたんですよ。

 

── 先手必勝ですね。憶測で間違ったことを書かれるくらいなら自分たちからどんどん話してしまおう、と。しかもNGなしですからお強い。

 

山本さん:自分たちからあけっぴろげに話していたら、応援してくださる方がどんどん増えて、それまで色眼鏡で見ていたマスコミも“こういう結婚のカタチもある”と、好意的にとらえてくれるようになりました。