50代より60代の壁のほうがもっと大変「だけど今が楽しい」

ハイヒールのリンゴさん
スタイル抜群のリンゴさん(本人インスタグラムより)

── お話をお聞きしていて、リンゴさんの若々しさにあらためて驚かされています(笑)。40代や50代の体調の変化はどのように乗り越えられましたか?

 

リンゴさん:50代の壁よりも、60代の壁のほうがもっとスゴいからね(笑)。自分で言うのもなんですが、見た目が変わらないっていうのは、やはり日々小さな努力を積み重ねているからだと思います。みんな大好きなジム通いは、今まで週1回のペースだったけれど、最近トレーナーから「もう週1回では体型がキープできないから、週2回来てください」って言われました(笑)。今からムキムキボディになるわけではないので、体幹を鍛えるトレーニングを中心にしています。体調を崩すと周りにすごく迷惑をかけるから、それだけは気をつけています。

 

── 今も舞台に立ち続け、テレビにもレギュラー出演されるなど精力的に活動されていますが、この先を見据えて意識していることはありますか?

 

リンゴさん:母親が今90代なのですが、「長生きしすぎたわ〜」って言うのです。実際、それは本当にそうかもなって思うけども(笑)。ただ、反省は必要だけど、後悔はしなくていいと思うんです。もちろん私だって後悔することはあるけれど、過ぎたことを悔やんでも仕方ないよなって。次からどういうふうにしようって考えるかが大事。

 

今62歳ですが、50代のときに大変だったことってあったかなって考えても、覚えていないんですよ(笑)。やっぱり興味や目標がなくなってしまうと、人生っておもしろくない。50歳までは不妊治療が中心だったけれど、今は手放して、自由にいろいろなところへ出かけています。仕事で行った場所も含めたら、南極にも行ったし、北極圏にも行ったし、ガラパゴスやアフリカにも行きました。月から見える地球上の建造物を全部制覇しようって目標を立てて(笑)。マチュピチュ、ナスカの地上絵や、中国の万里の長城も見に行きました。そういう目的があるほうが、人生は絶対に楽しいはずです。

 

PROFILE ハイヒール・リンゴさん

1961年、大阪府出身。京都産業大学在学中に、相方のモモコさんとハイヒール結成。女性漫才コンビとして、数多くの賞を受賞。2015年には大阪学院大学大学院商学研究科より名誉博士号を授与。現在も漫才、コメンテーターなど幅広い分野で活躍中。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/ハイヒール・リンゴ