プライベートでは、13歳、11歳、5歳、2歳、生後1か月の5人の子の母親として日々奮闘中のモデル・鈴木サチさん。毎日目の回るような慌ただしさながら「神様、私にこんな機会を与えてくださってありがとう」という感謝の思いがあるそう。第四子妊娠前に2度の流産を経たことで妊娠・出産に対する考え方の変化もありながら、5回目の妊娠に臨んだ心境は?産後1か月の今の状況も教えていただきました。(全4回中の4回)

育児が大変なのは「当たり前」だから

モデルの鈴木サチさん
第五子出産直前まで仕事を入れていたという鈴木さん

── 単純に5人を育てることはとても大変だと思うのですが、鈴木さんはむしろ楽しんでいらっしゃいますよね。「うまくいかない」と落ち込むことはないのでしょうか。

 

鈴木さん:それが、ないんですよねぇ。

 

── マイナスな感情自体があまりない?前しか見ていないというか。

 

鈴木さん: なんていうか…考えないんですよね。いや確かに、大変なんですよ。子育てって、大変なものですから。それをなんか「大変なんだよね」って、今さら言うことでもないというか。フルマラソンにも通じるものがあるかもしれません。フルマラソンって、しんどいじゃないですか。だけど「フルマラソンってしんどいんよね」と言いながら走る人はいないわけで。あえてわざわざ「大変」を引き合いに出さないというか。

 

フルマラソンを走る人は「大変だ」「キツい」ではなく、「キツいからそのためにどうしていくか」を、考えていると思うんですよ。「誰が42.195キロも走るって決めたのよ!」なんて思いながら、走らないですよね(笑)。それと似た感覚なのかも。

2回の流産、44歳の高齢出産での不安も

── 第四子を授かる前に、2度の流産を経験されているとか。その経験を経て、妊娠に対する考え方の変化はあったのでしょうか?

 

鈴木さん:流産した当時はメンタル、体調ともにすごく落ち込みました。2度目の流産のときは病気の予備軍という指摘もされて、本当に落ち込んでしまい…つらかったです。

 

そんなとき、たまたま占い師さんにみてもらう機会があったのですが、「今回の赤ちゃんはちょっと不器用な子だから、なかなか一筋縄ではいかないのかも」と言われたんですよ。それを聞いたときに「そうかそうか、それならしょうがないな」って思えて。「こっちもいい状態をつくっておくから、赤ちゃんも来たいときに来てね」と、どこかふっと肩の力が抜けたんです。それで、妊活は少し休憩して、その後も自然に任せました。

 

そんな状況を経て第四子を授かったものの、妊娠中も子宮頸管が短かったり妊娠高血圧があったりと、トラブルが多くて…。でも、そのころには、それも自然の流れだと受け止められるようになりました。

 

モデルの鈴木サチさん

── 差し支えない範囲で、どのような理由で5人目を望まれたのか教えていただけますか。

 

鈴木さん:もともとすごく子ども好きというわけでもなく、結婚前は「子どもなんていらない、ずっと仕事をバリバリしていたい」と思うようなタイプでした。ところが、第一子を産んでみたら、めちゃめちゃ子育てが楽しくて。「子どもって、めちゃめちゃおもしろい!」って。自分の世界も広がるし、すごいなって思いました。

 

こんな機会って、人生でそうそうないじゃないですか。お腹の中に子どもの命が宿っていて、ひとつの体の中に心臓が2つある。こんな神秘的なことがあるのかと。それを何度も味わうことができるのは、本当にありがたいことだなと。こんな機会をいただいて神様ありがとう、といつも思っています。自分の体にも、親にも感謝です。

 

だから、産める限りは赤ちゃんを産みたい。そんな気持ちがずっとあったんですよね。

 

── 今回は44歳での出産となるので、いわゆる高齢出産ですよね。その点に対する不安はいかがですか。

 

鈴木さん:もちろん、不安はありました。高齢出産ということで、出生前診断も受けましたし、その結果をどう受け入れてどう判断するかも、ものすごく考えました。本人や夫婦次第で、いろいろな考え方があると思います。だからこそ悩み、結果によっては、私はどんな賛否を受けても産まないと決めていました。パートナーにもたくさん相談し、結果が出た後のことまで納得がいくまで話し合いました。

 

第5子出産直前のモデル・鈴木サチさん
第五子出産直前の鈴木さん。「ピラティスのおかげもあり、仕事もこなしつつ元気な妊婦生活を過ごせました」

── 明後日が、いよいよ分娩日だそうですね。4回経験されていても不安ですか?

 

鈴木さん:本当に不安だしい怖いし、ドキドキしています。パートナーに「仕事で立ち合いできないかも」最初言われたときは、泣きながら「お願いだから立ち合って」とお願いしたくらい(笑)。それほどやっぱり不安です。でも間違いなく楽しみ。子どもたちもみんな、すごく楽しみにしているんですよ!

第5子出産後の鈴木家はこんな毎日を過ごしています

※今回の取材は計画分娩の2日前に行われたものでした。4月24日に無事、第五子を出産された鈴木さん。産後の生活や心境について、後日あらためてお話を聞きました。

 

── ご出産、おめでとうございます!バタバタの日々かと思いますが、退院後の生活で大きく変わったことはありますか?

 

鈴木さん:ありがとうございます!生活自体は、出産前とそれほど変わっていないですね。赤ちゃんのお世話のお手伝いは、一番上の娘がよくしてくれるので、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんのお世話ができています。あとは、私の母が休みの日に来て、家事などをサポートしてくれています。

 

モデル・鈴木サチさんと産後間もない赤ちゃん
出産直後の鈴木さんと赤ちゃん。入院中はゆったりと過ごせたそう

── 第四子はまだ2歳とのことですが、いわゆる「赤ちゃん返り」などは?

 

鈴木さん:第四子はもともとママっ子だったので、そのあたり少し不安だったんですが…パパに甘えたり、おばあちゃんに甘えたりと、上手に分散しているみたいですね。赤ちゃんのお世話をお姉ちゃんが積極的に手伝ってくれることもあり、私もゆったりとした気持ちで久しぶりの新生児育児に向き合うことができています。どうしても上の子たちのドタバタに翻弄されがちになるので、第四子との時間も意識して大切に過ごしていけたらと思っています。

 

モデルの鈴木サチさんとパートナー、生まれたばかりの第5子
生まれたばかりの第五子の可愛さにママもパパも頬が緩みます

── 5回目の出産を経て、鈴木さんご自身の気持ちに何か変化はありましたか?

 

鈴木さん:出産直前まで仕事で忙しくしていたので。いまは少し仕事を休んで、逆に子どもたちとゆっくり過ごす時間を持てるのがうれしい!気持ちにも余裕があるなぁと感じています。

 

PROFILE 鈴木サチさん

1979年愛知県生まれ。10代からファッションモデルとして活躍。モデルとして約30年活躍するかたわら、ピラティスのSTOTT PILATES(R)認定インストラクターを取得し、第四子妊娠中の2022年に自身のスタジオをオープン。ピラティスインスタラクターとしても活動中。2013年にホノルルマラソン出場し完走するなど、スポーツが得意な一面も。プライベートでは、14歳、11歳、5歳、2歳、0歳の5児の母。

 

取材・文/松崎愛香 写真提供/鈴木サチ