Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1でバチェラーのハートを射止めた蒼川愛さん。3年前に、現在未婚で、息子がいることを公表しました。妊娠発覚から、シングルマザーになるまでの背景とは。(全4回中の1回)
不調で病院に駆け込むと妊娠22週目だった
── 現在、4歳のお子さんを育てるシングルマザーですが、妊娠がわかったときのことを教えてください。
蒼川さん:妊娠がわかったのは24歳のときでした。東京でインフルエンサーとして活動していたのですが、急に体調が悪くなり1か月くらい吐き気などが続き…。今思えばそれがつわりだったのですが、高校生の頃から生理不順になることがよくあったので、そのときは妊娠しているとは思いませんでした。ただ1か月も体調不良が続いたので、さすがにおかしいと思い病院に行くと妊娠がわかったんです。
── 妊娠がわかったときは、どのような気持ちでしたか?
蒼川さん:体調不良の原因がわかってホッとしたのと同時に、お腹の中に命があるんだと思うと涙が出ました。すでに妊娠22週でおろすことは不可能な時期だったのですが、そうでなくても自分の中では産む以外の選択肢はなかったですね。
実はその頃、パートナーとの関係がうまくいかず悩んでいました。でも、子どもを産むことに迷いはありませんでした。産んでからパートナーとはどういう結果になったとしても、「私はお母さんになるんだ」「子どもを産んで育てる」って自然と思えたんです。
ギリギリまで東京で仕事をして、実家のある島根に里帰りしたのは出産1か月前です。パートナーとは何度も話し合い、出産後も島根に会いに来てくれましたが、やはり関係を続けるのは難しいという結論になり、シングルマザーになることを決めました。
── 初めての出産でしたが、いかがでしたか?
蒼川さん:19時頃に自宅で陣痛が始まったのですが、ずっと間隔を測りながらひたすら痛みに耐えていました。最終的にもう耐えられないくらい痛すぎて朝方に病院に行ったら、すでに本陣痛が始まっていたんです。初めての出産で、前駆陣痛と本陣痛の区別がつかなかくて。陣痛はものすごく痛いと聞いていたので、「これくらいではきっとまだだ」ってずっと我慢していて。医師には「よくここまで我慢したね」と驚かれました(笑)。
なので、病院に着いたときには子宮口も開いていて、分娩台に乗って10分で出産。あっという間に生まれました。その間に絶叫していたみたいなのですが、叫んでいた記憶は全然残っていないんです(笑)。正直、出産直後はまったく実感がわかなかったですね。母子同室だったのですが、数時間経って、落ち着いてからようやく生まれたんだと思えました。
── 里帰りは順調でしたか?
蒼川さん:息子が3歳になるまでは島根で子育てをしていたので、母がたくさんサポートしてくれました。栄養バランスのとれた離乳食の作り方など、母をお手本にして学びました。
私は大学進学を機に上京したので、母とのんびり過ごすのはそれ以来でした。今思うと、出産までの期間は久しぶりに思い出話などがゆっくりできる、いい時間になったと思います。
自分のことを認めないと息子のことも愛せない
── ひとりで育てるとなると決めたものの、お仕事との両立など、実際に育ててみると大変なことが多かったのでは?
蒼川さん:全身が映らない美容系の仕事が中心だったので、妊娠中は特に仕事との両立で困ったことがなく、出産ギリギリまで働いていました。出産後、すぐに仕事復帰しましたが、実は息子が2歳になるまで、子どもがいることを隠して仕事をしていました。なので、子どもがいるとどうしても身動きが取れなくて、お断りせざるを得ないお仕事もありました。仕事が不安定なので、金銭面では不安が常にありました。
島根でもインフルエンサーの仕事を続けていましたが、どうしても限界があって…。自然が豊かでいい場所なのですが、インフルエンサーなので「映えること」が必要なのです。でも、あまり映える場所がなく…(笑)。それで息子が3歳になる頃にまた東京に戻ってきました。
── 子育てをするなかで、気をつけていることはありますか?
蒼川さん:子どもが2歳になるまでは興味のあることはやらせてあげたくて、なるべく「ダメ」という言葉を言わないように心がけていました。でも最近は4歳になって、自我も芽生えて、どんどんパワフルになってきて、怒ることも多くなるようになってきたように思います。
それでも周りの子どもと比べたり、否定するような言葉は言わないようにしていますね。挑戦して失敗しても、「だから言ったでしょ!」というような挑戦したこと自体を否定したりはしないように心がけています。
── お子さんが生まれてから、変わったことはありますか?
蒼川さん:以前よりも自分に囚われないようになりました。私は昔から自分のことがあまり好きではなかったのですが、自分のことを認めてあげないと息子のことも愛せないと思うように。息子を育てるためには、自分にかまってどうこうしている場合ではなくなりました。息子が私のことを求めてくれることで、自分を許容できるようになったというか…。「完璧じゃなくてもこれくらいでもいいか」と思えるようになりました。
あとはメンタルも強くなったかな。以前はSNSのコメントや掲示板を見ては、悪い意見などに凹んでばかり。でも今はそれを見ているような時間もないし、もし見たとしてもそれを糧に頑張ろうと思えるほど、心に余裕ができた気がします。
PROFILE 蒼川 愛さん
1994年生まれ、島根県出身。インフルエンサー。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1に、大学生で参加。初代バチェラーの心をつかみ話題に。4歳の息子を育てるシングルマザー。
取材・文/酒井明子 画像提供/蒼川 愛