民放アナウンサー試験は全て落ちたと語る優木まおみさん。歌手やCMなど着実に活動を続けながら番組でロケで虫をモリモリ食べることに臆さなかったと言います(全5回中の1回)。

民放のアナウンサー試験はすべて落ちて

── 国立大卒で小学校の教員免許を持つインテリタレントとして知られる優木さんですが、もともとは、テレビ局のアナウンサーを目指していたそうですね。

 

優木さん:中学生のときに、アメリカのクリントン大統領にインタビューする女性キャスターの姿をテレビで見て、「私もこんなカッコいい人になりたい!」と憧れ、アナウンサーを目指すようになりました。有名になってテレビに出てみたいというちょっとしたミーハー心もありましたね。

 

地元の佐賀県から東京の大学を目指すことにしたのですが、中華料理店を営む両親からは、「お金がないから国公立しか行かせられないよ」と言われ、東京学芸大学の教育学部に進みました。小学校の教員免許は持っていますが、学校の先生を目指していたわけではなかったんです。

 

── 高校では予備校に通わず、現役で合格されています。優秀だったのですね。

 

優木さん:私が通っていた県立致遠館高校は、勉強にかなり特化した厳しい進学校だったんです。偏差値のレベルでクラスが分かれ、授業のカリキュラムもびっしり組まれて9限目くらいまでありました。補習授業も多く、望めば受けられるし、課題も毎回どっさり出ていました。県立高校とは思えないほど手厚い指導で、勉強するには最適な環境だったので、周りでも予備校に行く人はあまりいませんでした。

 

── 大学の就職活動でアナウンサー採用試験を受けたときは、何社くらいトライされたのですか?

 

優木さん: 民放は全局受けました。唯一フジテレビだけ、最終面接の8名にまで残ることができたのですが、結局落ちてしまい、全滅でしたね。

 

アナウンサーを目指す人たちは、試験対策のワークショップで一緒になったり、採用試験でも民放各局を受けるケースが多いので、だいたいみんな顔見知りになるんです。私のときも、連絡網を作って情報交換していました。当時、一緒に採用試験を受けてアナウンサーになったのは、フジテレビだと、長野翼ちゃんや石本沙織ちゃん、戸部洋子ちゃん。TBSだと、小林麻耶ちゃんと高畑百合子ちゃん。テレ朝は前田有紀ちゃんなどがいました。たまに現場で会うと、「懐かしいね!」と、おしゃべりしたり。皆さん、すでに第2、第3の人生を歩んでいる人も多く、「頑張っているんだな」と刺激を受けます。

 

落ちたことは残念だったけれど、人生で一度しかない貴重な体験ができて勉強になりました。

 

私服姿もお洒落な優木さん

── アナウンサーの採用試験を受ける前は、「モーニング娘。」などのタレントオーディションにも挑戦されていたそうですね。

 

優木さん:アナウンサーになりたいという昔からの夢がある一方で、華やかな世界に憧れるミーハー心がどんどん増していた時期だったんです。モーニング娘。のオーディションはまったくダメでしたが、エイベックスの「avex dream 2000」オーディションでは、結構いいところまでいきました。

 

ただ、当時は「こうなりたい」という明確なビジョンがあったわけではなく、単に、テレビに出て注目されたい、有名になりたいという気持ちのほうが強かったのだと思います。いま思えば、ブレブレでしたね。