2019年に22歳年下のシンガーソングライター・ゆりえさんと再婚した俳優の大浦龍宇一さん。当時大浦さんは50歳、ゆりえさんは28歳。再婚早々、壁にぶつかったといいますが──。(全4回中の4回)

舞台での共演後、思わぬアクシデントで急接近

── そもそもゆりえさんとの出会いのきっかけはなんだったのでしょうか。

 

大浦さん:2018年に上演した主演舞台「星の王子さま」で共演したのが初めての出会いでした。お互いにアコースティックギターや音楽映画が好きという共通点があり、年齢は離れていましたが、徐々に仲良くなって、息子と3人で会うようになったんです。

 

同年の夏には一緒にライブを開催したのですが、会場に来るはずだった息子が、最寄駅で具合が悪くなり、病院に運ばれたことがありました。ライブ後、急いで病院に駆けつけたのですが、心配した彼女も一緒に来てくれたんです。

 

俳優の大浦龍宇一さんと妻のゆりえさん
音楽をきっかけに距離を縮めた

当時、息子は昼夜逆転の生活になっていて、睡眠不足と栄養が偏っていたことが体調不良の原因でした。そこから、彼女が家に来ては息子に食事を作ってくれるなど、いろいろな支えになってくれました。ただ、息子が高校入学前でもあったため、彼が中学を卒業するのを待って再婚し、今に至ります。

夫婦ゲンカがきっかけで思わぬ報道…家族に亀裂が

── 結婚3か月後には、離婚報道もありました。

 

大浦さん:お恥ずかしい話ですが、ケンカが原因で妻が家を飛び出し、それがニュースで取り上げられ、離婚報道というおおごとになってしまったんです。

 

「みんなで力を合わせてやっていこうね」とスタートをきったのですが、20歳以上の年の差もあり、もっときちんと生活の基盤を整えたうえで結婚すべきだったのかもしれません。彼女に甘えてしまった部分もありました。まだ20代の妻にとって、いろいろなことが重荷だったと思います。

 

当時はまだ、ありのままの相手を受け止められなくて、「家族はこうあるべき」というカタチをどこかで押しつけてしまっていたのかも…。もっと妻に配慮すべきでした。

洗礼をきっかけに決定的なすれ違い

── 2019年には、教会で洗礼を受け、クリスチャンになったことを公表されています。

 

大浦さん:きっかけとして大きかったのは、「聴くドラマ聖書」という、ドラマ仕立てのオーディオブック聖書アプリのお仕事をさせていただき、聖書が伝えていることに触れたことでした。

 

芸能一家で育ち、子どもの頃から「愛」や「家族のあり方」について悩み苦しんだこともありました。でも、振り返ってみると、人から傷つけられたことは鮮明に覚えているのに、自分が人を傷つけたことは、あまり思い出せなくて。要は、自分を守ることばかりに意識が向いて、人の痛みには鈍感だったんです。

 

2000年ごろの大浦龍宇一さん
24年前の大浦さん「今思えば自分を守ることばかり考えていました」

そんな自分に気づき、「人を赦す愛」というものを覚えたい、人間としてもっと成長したいと考え、正当なプロテスタント教会で洗礼を受けて、クリスチャンになりました。

 

私としては、クリスチャンとして生きることに、非を感じることはなかったですが、妻にとっては、そうではなかったようです。自分のことより宗教に傾倒しているように映ったのかも…。決してそんなことはなく、追い求めていたのは「家族の再生」や「本当の愛」だったのですが。

 

ただ、結果的にあらぬ誤解を招いてしまい、このときも悪意のある報道がなされました。事実とはかなりかけ離れた内容で…。それを見た周りの人たちの多くは離れていってしまいました。この二度にわたる報道にかかわるなかで、自分の力では立ち上がれないほどになり、自分の弱さを認め、今まで自分は強いと思い込んでいた「私」が砕かれていったんですね。

人生後半戦「自分さえよければ」という甘えは捨てて

── 大変な思いをされたのですね…。

 

大浦さん:以前報じられた離婚騒動のときは、夫婦間の問題だから自分が黙っていればいいと思っていました。でも、この問題に関しては、周りにも迷惑がかかりますし、誤解を生んだままではいけないなと。それでブログに事の顛末と思いをつづり、妻とも話し合いを重ねるなかで、少しずつ夫婦間の行き違いを解決することができています。

 

俳優の大浦龍宇一さんと妻のゆりかさん
昨年のクリスマス、夫婦で横浜を訪れた際の一枚

── 波乱を乗り越え、結婚5年目を迎えられました。今の心境を聞かせてください。

 

大浦さん:紆余曲折の出来事を経て、自分自身と向き合うなかで、いかに自分が弱い人間だったかを思い知りました。

 

お恥ずかしながら、これまでの私は、どこか「自分さえよければ」という気持ちがあったのだと思います。相手のことなんてどうでもいいというわけではありませんが、なにごとも自分が最優先で、損をしてまで相手に尽くすという気持ちは持っていなかったんです。ですから、妻に対しても、自分のことや息子への気持ちを優先してしまい、彼女を傷つけてしまったのだと思います。

 

でも、人生も後半を迎えて、「新しく生まれ変わって生きたい」と願うようになりました。この年では遅いということはないと思っています。もっと学んで成長したい。口にする言葉やメッセージは、なるべく「人のためになる」ことを発信したい。今はそう思っています。

 

PROFILE 大浦龍宇一さん

おおうら・りゅういち。1968年、京都府生まれ。立命館大学卒業後、俳優としてドラマや映画、舞台など幅広く活躍。代表作に、「この世の果て」、NHK連続テレビ小説『天うらら』、舞台『大人計画・キレイ』など。最新情報はオフィシャルブログ「LIGHT LIFE」で発信。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/大浦龍宇一