45歳で第一子を出産したジャガー横田さん。42歳で結婚、43歳で不妊治療を開始するも子宮筋腫を発見。さらに妊娠初期にはプロレスの全5試合参加するといい──。(全4回中の1回目)

42歳で結婚するも

── ご主人と2回目のデートで結婚前提でのお付き合いを始めたそうですが、ジャガーさんは元々結婚に対してどう思っていたのでしょうか。

 

ジャガー横田さん:私は15歳から始めたプロレスに夢中で、結婚についてあまり夢や願望はなかったんです。でも、主人に出会って二度目に結婚前提で付き合ってほしいと言われました。彼は医者で私はプロレスラー。育ってきた環境はまったく違うものの、彼が一生懸命プロレスについて理解しようとしてくれる姿に惹かれましたし、私のことを真剣に思っていてくれることを感じて、この人と結婚したら幸せになれるかもしれないと思い、42歳で結婚することになりました。

 

── 結婚後、不妊治療の過程で子宮筋腫が見つかったそうですね。

 

ジャガー横田さん:結婚して1年以上たってもなかなか妊娠しなくて、私が43歳のときに不妊治療の検査を受けると、10センチほどの子宮筋腫が見つかったんです。主人は、知り合いの産婦人科医に自分の妻だとは言わず、年齢と子宮筋腫があることを伝えて妊娠する確率について尋ねたそうです。すると、その医師から子宮筋腫を取らない限り妊娠の可能性は0%。取ったとしても通常の妊娠の確率は3%で、不妊治療をしても10%に満たないと言われました。主人は私にどう伝えようか一週間も悩んだそうです。

 

── 旦那さんから話を聞いて、どう感じたのでしょうか?

 

ジャガー横田さん:子宮筋腫を取ったら出産の可能性が0から3%に上がるんだよ!だったら3%にかけようよと、主人に伝えました。その後、子宮筋腫の手術をして不妊治療を開始。なんとか着床したものの、2週間後に流産してしまったんです。

 

私が不妊治療を進める際、「年齢的にも一番成功率が高い体外受精がいい。そして、体外受精は3回が目安」と言われていました。

 

しかし、体外受精を試みるも1回目はうまくいかず、残りはあと2回しかない。もしかしたら主人に子どもを持たせてあげられないかもしれない。もう無理かなと思えてすごくショックで、謝りました。

 

── 旦那さんの反応はいかがでしたか?

 

ジャガー横田さん:主人は、2人の問題だからあなたは謝らなくていい。2人で力を合わせて頑張っていこうと言ってくれました。その言葉を聞いたとき、すっと肩の荷が下りた気がして、この人と結婚して本当によかったと感じた瞬間でした。

妊娠初期でもリングに立って

コーン満載!

── 45歳のときに、お子さんを妊娠されました。

 

ジャガー横田さん:実は、不妊治療ではなく排卵日に合わせたタイミング法で妊娠できたんです。子どもを持つことができないことも想像したので、妊娠がわかったときは、すごく嬉しかったです。

 

── しかし、妊娠がわかって2週間後に決定興行が5試合ありました。流産のリスクもありそうですが、出場を決めた理由は?

 

ジャガー横田さん:不妊治療を一時中断していた時期に自然妊娠をしたため、妊娠がわかったときにはすでに試合が予定されていました。あと、私は昭和の人間ですから、すでに出場が決まった試合は何があっても休むわけにはいかないと思ったんです。妊娠初期ではあったものの、幸いつわりもなく体調もよかったこともあり、結果的にすでに予定されていた5試合はすべて出場しました。

 

あと、不妊治療中はプロレス活動を一時中断していましたが、それがかえってストレスになっていたこともあったと思います。

 

主人は私の身体を気づかい、万が一のためにも休んだほうがいいのではないかと言ってくれました。しかし、最終的には私のプロレスへの熱い思いを理解してくれ、自分のできることは全力でするからと全試合に同行し、サポートしてくれました。

 

── 妊娠中、体調面では様子を見ながら、これから生まれてくる子どもについて、旦那さんとどんなお話をされたのでしょうか?

 

ジャガー横田さん:私は子どもをのびのびと育てたいと思っていました。主人は、将来子どもには医者になってほしいから英才教育だと言って、胎教としてモーツァルトの曲をかけようとしたんですよ。でも、私にはモーツァルトの曲が合わなくて、ストレスになるから子どもにもいいわけがない!と言って、結局、聞かなかったんですけどね(笑)。

高齢出産を振り返って

息子さんの誕生日に

── その後、無事に出産されました。以前に比べたら高齢出産する人は増えてきていますが、ジャガー横田さんが出産された2006年は今以上に多くはなかったかと思います。当時のことを振り返ってみていかがですか?

 

ジャガー横田さん:産婦人科の先生を信頼していたため、とくに不安を感じることはなく、育児情報もネットなどからたくさん収集できました。むしろ変に不安がるほうが余計な事故を招くと思い平常心を心かけていました。

 

初めての子育てはわからないことだらけでしたが、子どもには愛情をかけて、かわいいと思って育ててきました。初めての育児は手探り状態で必死でしたが、今思い返せばそれもいい思い出です。

 

また、主人は自分の希望を伝えても、自分の意見を人に押しつけたりしません。結婚してからも、その姿勢は変わらず、私の意見を尊重してくれます。そこは主人の尊敬できる部分のひとつですし、家庭がうまくいっている理由のひとつかもしれません。

 

PROFILE ジャガー横田さん

東京都出身。プロレスラー。タレント。2006年、医師の木下博勝氏と結婚。夫妻と息子、大維志さんとともにYouTube『ジャガー横田ファミリーチャンネル』で日々の暮らしを発信中。

 

取材・文/間野由利子