フリーアナウンサーとして再出発をした小川りかこさん。早朝から始まるキャスターの仕事を始めた当初は、不規則な生活サイクルに慣れるのに苦労したそうです。(全3回中の2回)
週の半分は千葉でホテル住まいで朝3時起き
── アナウンサーのお仕事は時間帯が不規則で、体調管理が大変そうなイメージがあります。
小川さん:そうですね。お仕事は楽しいのですが、睡眠のリズムに慣れるのに苦労しました。千葉テレビのキャスターは、月、火、水曜日に担当していたのですが、本番が朝6時30分スタートなので、早朝4時前にはスタジオに入らないといけないんです。東京の自宅からは通えないので、日曜日の夕方に千葉のホテルにチェックインして3泊してから、水曜日の収録後に自宅に帰るという生活をしていました。
朝は3時に起きるからせめて夜は9時には眠りたいのに、なかなか寝つけなくて。2、3時間しか眠れないまま本番を迎えることもありました。番組が終わったあとに都内でほかの仕事が入っている日は、満員電車に乗って移動して、そのまま夕方まで仕事をしていました。睡眠不足で、めまいを起こしてしまったこともありました。
── 不規則な生活サイクルに慣れるのは大変そうです。
小川さん:なんとか睡眠の質を上げたいと思って、自宅で使っているのと同じ「マイ枕」をホテルに預けたり、いろいろと試しました。
そんなときに出合ったのが、アロマテラピーでした。友人の家に行ったときに「よく眠れない」と話したら、「無香料のバスソルトがあるから、好きな香りの精油をたらして持って帰りなよ」と言ってくれて。ラベンダーなどの香りを選ばせてもらって、ホテルへ持って帰りました。お風呂で使ってみたらとてもリラックスできて、そこからアロマテラピーにハマって、当時「アロマテラピーアドバイザー」という資格を取得しました。
香りって、その場で一瞬にして、自分の好きな空間をつくることができるんです。もはやアロマテラピーは、私の生活にはなくてはならないものになりました。
アドリブは「お客さん目線」で
── フリーアナウンサーの仕事は多岐にわたると思いますが、小川さんが特に得意とされるのはどのような分野ですか。
小川さん:30代になって、イベントの司会をご依頼いただくことが増えたのですが、お客様の表情をじかに見ることができるイベントの仕事は好きですね。普段お会いする機会のない専門家の方とお話しすることができますし、ゲストでいらっしゃるモデルさんや芸能人の方の華やかなオーラに触れるのも楽しみです。
特にファッションや美容関連のイベントは、自分自身も興味のある分野なので、楽しんでやらせていただいています。「自由に話していいよ」と言っていただくときは、台本通りに司会をするだけでなくて、「私がお客さんだったら、こんなことを知りたい」と思うことを専門家の方に質問することもあります。
あとで「あの質問をしてもらえて、助かりました」とクライアントさんに喜んでいただけると、「お役に立てたのかな」と思えて嬉しいですね。
── アドリブをきかせて司会をするのは、緊張しませんか。
小川さん:緊張はしますけど、楽しいですね。緊張するときは、アロマの力を借りています。肌に直接塗れるナリンのハーブオイルはいつもポーチに入れていて、リフレッシュしたいときに使っています。
どんな仕事でも、大事なのは人とのつながり
──フリーランスで長く仕事を続けるために、心がけていらっしゃることはありますか。
小川さん:どんなお仕事でもそうだと思いますが、人とのつながりは大事だと思います。特にフリーランスの場合は、お仕事をご一緒した方から、別の現場でまたお声をかけていただくこともよくあります。といっても特別なことをするわけではなくて、あいさつをきちんとして、あとはご一緒するみなさんと楽しい時間を過ごすことを心がけています。これからも、相手の方の立場を想像して、望んでくださる以上のことができたらと思っています。
PROFILE 小川りかこさん
フリーアナウンサー、『BS11宝くじドリームサテライト』のキャスター、ナビゲーター、リポーター、イベントの司会など幅広く活躍。2008年にアロマテラピーの資格を取り、日常に取り入れている。1児の母。
取材・文/林優子 画像提供/小川りかこ