小学3年生の娘と小学1年生の息子の母である三倉佳奈さん。子どもに対する愛情は同じでも、子どもとの関わり方は夫婦でもそれぞれあるようで── 。（全5回中の4回）
いつも家族を心配しているね
── 2人目のお子さんを出産されて2、3か月後には仕事復帰されたそうですね。
三倉さん：その頃が一番大変でした。今は子どもたちが小学生になってだいぶ手が掛からなくなりましたが、下の子が3歳くらいまでは毎日必死で、喜びより大変さが9割でした。
── お子さんを、仕事現場に連れていくこともありましたか？
三倉さん：子どもを抱っこして現場に向かい、撮影中はマネージャーさんに子どもを見てもらうことはありました。関西の現場に行くときは、子どもたちを新幹線に乗せて、関西に住んでいる親戚の家に子どもをいったん預けて現場に向かいます。その後、仕事が終わり次第、子どもを迎えに行きましたが、体力的には正直キツかったですね。
── 子育ては、夫婦で協力できていると思いますか？
三倉さん：二人で楽しくやれていますが…。どうしても自分の方が子どものこと、子どもの将来について考えているような気がしてしまって、悩みや苛立ちみたいなものは常にあるかもしれません。
子どもにこういうことができるようになってほしい。子どもが自立するために、こんな体験をさせよう、こんな景色を見てほしいと、いろいろな場所に連れて行きたい思いが私はあるのですが、たぶん夫はそこまで考えてないんじゃないかなぁ（笑）。先のことよりも、今楽しいことをやろうというか。
最近は落ち着きましたけど、子どもとiPadのゲームをする時間が長く感じたり。夫が野球中継を見るのが好きなので、子どもと野球を見るのはいいんですけど、もう少し別の番組も見せたいな、とか。そういうことはよくあります。もちろん、ゲームも野球も子どもとのコミュニケーションの時間になっているとは思うんですけど。
── 悩ましいですね…。
三倉さん：あと、子育てとは少しズレるかもしれませんが、夫は昔からよく冗談を言うんです。子どもに「お父さんは昔、カマキリだったんだよ」と言ってる場面を目撃して、面白いけどなんでそんなこと言うんだろうと思ったことも。私がそうした冗談を言わないので、夫の言動が不思議に感じることはあります（笑）。
── シュールな冗談と言いますか（笑）。三倉さんは、お子さんからどんなお母さんだと思われていると思いますか？
三倉さん：ちょっと前に娘と話をしていて、「ママってどう思う？」って唐突に聞いてみたことがあるんです。そしたら「優しいんじゃない？」って。「えー？でもママ口うるさいし厳しいじゃん。しつこいし」「そうだね。しつこいのは嫌だ」と言うので、そこはちょっと控えます、と（笑）。
他にも聞くと、「いつも家族のことを心配してるよね。いつも大丈夫？って、家族の体調を心配してるイメージがある」と言ってくれて、そんな風に思ってくれるんだ。自分で想像もしていなかったのでびっくりしましたが、そう感じてくれているなら嬉しいです。
夫が洗濯物を干すとき
── ところで、家事分担はどうされていますか？
三倉さん：基本的に夫婦半々です。食事は基本的に私が作りますが、洗濯物はほとんど夫に任せています。夫はアパレル関係の仕事に就いているからか、服へのこだわりがあって。
たとえば柔軟剤。三倉家では柔軟剤を使わなかったので、洗濯したバスタオルがパリパリに乾いていると、「わぁ、パリパリだ！乾いた、乾いた」って喜びます。でも、夫はパリパリとかあり得ないと。柔らかくてナンボという考えなので、柔軟剤をしっかり入れます。そして洗濯物を干すときは、「パンパン！」と10回くらい叩かないとダメらしく、その方が空気が入ってフンワリすると言うんです。私が部屋にいて夫がベランダで洗濯物を干しているときは、これみよがしに「パンパン！」と叩くので、こっちは聞こえないフリをしています。
ただ、夫が家にいなくて私が干すときは、私はそこに時間をかけたくないのでササっと干します（笑）。
── 他はいかがですか？
三倉さん：ゴミ出しも気づいた方がやるし、夫はいらなくなった段ボールを潰してきれいにまとめるのが好きらしいので、それもやってもらっています。特に家事分担の当番表もないですけど、自分ばっかり！と思うこともないので、そこはよかったのかなと思います。
大学時代から約7年つき合って結婚しましたが、これからも発見がありそうです。子育ても家事も、なんだかかんだと楽しくやれているのでありがたいですね。
PROFILE 三倉佳奈さん
1986年2月23日生まれ、大阪府出身。1996年、NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』で双子の姉・茉奈とデビュー。テレビや舞台など多方面で活躍。オフィシャルYouTubeチャンネル「マナカナんち」更新中。「Family Dream Live2023」が12月17日まで公演中。
取材・文／松永怜 写真提供／三倉佳奈
