中・高校時代は限られた友人とつき合うタイプだったと語る三倉佳奈さん。クラス全員が携帯を持っていても自分は持たない。周りではルーズソックスやメイクをしても興味がなかったという、三倉さんの思いとは。(全5回のうち3回)
携帯は持ちたくないと頑なだった
── 小学生の頃はどんな子どもだったと思いますか?
三倉さん:活発で明るかったと思います。でも、中学・高校生になるとクラスでも地味で真面目で、勉強ばっかりしてました。
── 中学・高校生くらいになると、お洒落に興味を持つ方も多いのでしょうか?
三倉さん:周りの子はメイクをしたり、ルーズソックスを履いたり、スカートも短くしたりと、どんどん華やかになっていきましたね。
でも、私はメイクは仕事でするもので、普段からしたいとは思わなかったし、ルーズソックスも全然履きたいと思いませんでした。スカートの長さも膝上にする人が多かったんですけど、丈の長さを変えるのも抵抗がありました。中学、高校は制服があったから私服も特に気にしなかったんです。でも、学校で遠足に行ったときに、みんなの私服がちょっとお洒落で、あれ…?って。私、パーカーとデニムだったんですけど、みんなとなんか雰囲気違うな、私、ちょっとダサいのかな?って、思った記憶があります(笑)。
── 自分は自分、といった感じでしょうか。
三倉さん:当時、ギャルブームというか、ギャルが流行っているような雰囲気があったんです。プリクラは友達に誘われて撮りましたが、ギャルは自分には似合わない。無理してその世界にいこうとは思わなかったですね。
── 高校生の頃は、携帯も持たないようにしていたそうですね。
三倉さん:当時、クラス全員携帯を持ってましたが、私はまだ持たないと決めていました。メールをするときは、友達は携帯から、私は親のパソコンからメールをする感じ。「なんで携帯持たないの?」って聞かれたこともありましたが、単に必要なかったような…。
たぶん、寂しいと感じることが無かったんだと思います。学校の行き帰りも茉奈と一緒、家にも家族がいるからひとりぼっちになる瞬間が無い。だから、友達と携帯でやりとりしなきゃ、誰かと繋がらなきゃといった感覚が無かったのかもしれません。茉奈が常にいたし、二人で「携帯持たないよね?」「持たない、持たない」って確かめ合いながら過ごしてました。
── 友達関係はいかがでしたか?
三倉さん:私、根が人見知りで、特に中高時代は人見知りが大爆発していました。仲のいい子とは深く仲よくなるけれど、いわゆるグループのノリ、「わかるー!」「そうだよねー!」とか「みんなが買うから私も買うわー」みたいな、ああいう感じのノリがダメだったんです(笑)。
なんでみんなでお揃いにしたがるんだろう。なんで群れてトイレに行くんだろうと疑問だったし。たまにはその輪に入ることもありましたが、賛同してなかったと思います。人づき合いもクラスで一人、学年で一人、親友というか、仲のいい子ができればいいやと思うタイプでした。
ただ、中学・高校ってクラスの中がすべてじゃないですか。今思えば、クラスの箱の中に30人くらい収められて、その中で1年間ずっとやっていくのって大変なことだったなと、今は思います。
正直、大学デビューです
── 大学生になって、環境は変わりましたか?
三倉さん:確実に世界が広がりましたね。大学生になるとたくさん友達ができました。高校時代も友達はいましたが、大学に入って今までとは違う価値観を持った人たちと出会えたり、趣味やサークル、クラスでも、いろいろな場所で知人・友人がたくさんできました。
あと、大学生になる頃に携帯も持ちました…。いやぁ、携帯って便利ですね(笑)。携帯が無かったら、友達とお昼ご飯を一緒に食べる連絡も取れなかったし、授業やイベントの連絡、いろいろな人と繋がれなかった。どうして高校時代は頑なに持たなかったんだと。大学に入って、自分自身、変化していったんだと思います。
── 大学生になって、お洒落にも目覚めていきましたか?
三倉さん:ちょっとずつこだわるようになりました。洋服にも興味を持ち始めて、イヤリングをつけてみたりとか。言葉は古いですけど、正直、大学デビューだと思います。でも、自分のペースでいろいろな人たちに触れ合えたのは財産だと思います。
PROFILE 三倉佳奈さん
1986年2月23日生まれ、大阪府出身。1996年、NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』で双子の姉・茉奈とデビュー。テレビや舞台など多方面で活躍。オフィシャルYouTubeチャンネル「マナカナんち」更新中。「Family Dream Live2023」が12月17日まで公演中。
取材・文/松永怜 写真提供/三倉佳奈