「月25万円くらいかかる」と知り、娘を保育園に通わせることは諦めたという中山エミリさん。娘さんが小学生になった今も、育児中心の生活が続いているといいます。(全3回中の2回)

0歳児から保育園に入れたいと考え動いた結果

── 保育園には入れずに、お子さんと向き合う生活をされていたそうですね。一緒に過ごす時間を大切にされていたのでしょうか?

 

中山さん:いえ、別にそうした教育方針があったわけではなく、結果的にそうなったという感じです。当初は、0歳児から保育園に入れたいと考えていました。周りのママ友たちから「小さい頃から保育園でいろんな子どもたちと一緒に過ごすことで、社会性が身につくし、自分から率先していろんなことができるようになるよ」と聞いていたので、「そういう世界も子どもにとっては大事だな」と思って。

 

でも、保活がうまくいかず、通える範囲の保育園はまったく空きがない状態。認可外のところも探しましたが、月25万円くらいと目が飛び出るような金額だったので、保育園に入れるのは諦めたんです。さいわい、夫の親も私の親も子育てに協力的で。孫との時間を喜んでくれることもあり、私が仕事のときなどはお願いすることができたので、シッターさんの手も借りずにすみました。

愛娘のチューに幸せそうな表情の中山さん

ネガティブな自分も肯定できるように

── 子育てを通じて、自分のなかに変化や気づきはありましたか?

 

中山さん:「自分って意外とネガティブな面があるんだな」というのは、子育てを通じて気づいたことかもしれません。

 

── 中山さんといえば、物おじしないキャラクターで、ポジティブな明るい印象が強いのですが、たとえば、どういうところでそう感じるのでしょうか。

 

中山さん:昔はあまり気づいていなかったのですが、もともと真正面からポジティブに物事をとらえる性格ではなくて、わりと慎重に物事を考える傾向があります。ただ、人前に出るお仕事ですから、ポジティブでいようと、自分を鼓舞していた部分もあったと思います。

 

もともと私は、これといって誇れるような特別なものもないし、たまたまいろんなラッキーが積み重なって、ここまで生きてきたタイプです。そういう気持ちがあるので、どこか自信が持てず、「自分なんて…」とネガティブな考えになってしまうことがあるんですね。

 

── そうした考えをもっていらっしゃるのは、少し意外です。

 

中山さん:本当に、運だけは良かったので、たくさんの素晴らしい方々とのめぐり合わせで、いろんなお仕事をさせていただくことができました。でも「じゃあ、あなたは何ができる?」と言われたら何もできないし、それこそ、代わりなんていくらでもいるお仕事です。

 

だから、こうして取材でお声をかけてもらえるのも、「私なんかでいいんですか?」という気持ちがあります。ママさんタレントの方々って、皆さんすごく話しが上手で、いろんなエピソードをたくさん持っていらっしゃいますよね。ああいうのを見ると、「すごいなあ。私はそんな引き出しないぞ?」と思うわけです。

 

ただ、このネガティブさも、最近では生きていくためには、そんなに悪いことじゃないのかもと思っています。

 

── ネガティブもプラスになると。

 

中山さん:少しくらいネガティブな発想を持っていたほうが、石橋をよく叩いてから渡ることができるので、無謀なことをしでかして失敗する確率も少なくてすむのかなと。

 

子どもが生まれるまでは、自分ひとりの人生だったので、石橋を叩かずに突き進んで失敗しても、「自分のせいだし、しょうがない!」と、思えたのですが、今はそうはいきません。私がもし無謀なことをして失敗すると、子どもや家族、周りの人にも迷惑をかけることになってしまいますから。

 

── 守るものができたことで、より慎重になった部分があるのですかね。

 

中山さん:やっぱり子どもの存在というのは、大きかったですね。子どものことに関しては、先の先まで考えて行動するようになりました。もしも私の安易な行動で、なにかやらかしてしまったら、子どもの人生に水を差してしまう。それだけは絶対にあってはいけないなと思うので。ですから、“少しネガティブで小心者”くらいのほうが、ちょうどいいのかなと、今は思うようになりました。

 

ネイビーのミニスカワンピがお似合いの中山さん

息抜きは家事の合間の“ダラダラタイム”

── 子育てに追われる日々のなかで、どうやって息抜きをされていますか?

 

中山さん:正直、なかなか自分の時間がうまく見つけられず、あわただしく1日が過ぎていく感じです。そうしたなかで皆さん、うまく時間をやりくりして習い事をしたり、自分磨きをして頑張っているんだろうなあと、キラキラしたママたちに思いを馳せながら、私自身は、洗濯機が回り終わるのをボーっと待っている時間が、ものすごく好きです(笑)。このダラダラタイムが、今の私にとってのご褒美タイム。その時間を楽しみに、朝、頑張って起きて、家事をして、子どもを学校に送り出しています。

 

家事の隙間時間にゴロゴロするのを楽しみに過ごすというのも、正直どうなんだろうと思ったりしますが。キラキラとした生活からは、程遠い日々でなんかすみません(笑)。

 

── いえいえ(笑)。日々の小さな幸せを大切にできるのは、素敵だと思います。

 

中山さん:ありがとうございます。人生のなかで何かを頑張ることも大事ですが、無理をしすぎるといっぱいいっぱいになってパンクしてしまうと思うので、自分の身の丈にあった努力をしながら、時間を大事にしていけたらといいなと思っています。

 

──「身の丈に合った努力」というのはいいですね。自分のペースでいい。

 

中山さん:子育て中は、自分ではコントロールできない部分も多いですが、そのなかで、なんとか調整できる部分で帳尻を合わせる。それが私にとって「洗濯の間のダラダラタイム」です(笑)。

 

PROFILE 中山エミリさん

1978年、神奈川県生まれ。1994年、15歳で芸能界にデビュー。ドラマやCM、2000年代にはバラエティ番組の司会としても活躍。2010年、プロライフセーバーの飯沼誠司さんと結婚。2015年に出産。現在7歳の女の子のママ。

 

取材・文/西尾英子 画像提供/中山エミリ