トイレのウォシュレット(R)にある「おしり」と「ビデ」の洗浄機能に違いはあるの?トイレメーカーTOTOに素朴な疑問をすると、知らないと損する情報にあふれていました!
「ビデ」の使い方、そこだったんですね
トイレの奥に潜んでいて、ボタンを押すと現れるウォシュレットの機能。なかでも「ビデ」は女性が使う頻度が多そうですが、使い方を教わることもなく、自己流で行う人も多いのでは? 業界最大手のTOTOに取材しました。
—— ウォシュレットについている「ビデ」。「おしり」との違いや正しい使い方などあれば教えてください。
TOTO:TOTOのウォシュレットでは、「ビデ洗浄」と「おしり洗浄」とでノズルの噴射口がわかれていて、角度も微妙に変えて水が当たるようになっています。
ビデは、生理中にナプキンを交換するときとセットで使用することを推奨しています。10~20秒を目安に外陰部を軽く洗った後、水けをトイレットペーパーでやさしくおさえるように拭き取ります。
皮膚やアンダーヘアに付着した経血が水でゆるみますので、ビデを使ったほうがトイレットペーパーで拭きとっただけのときよりも外陰部がきれいになります。必要以上にこすらずに汚れを落とせるので、敏感な外陰部の肌も傷つきにくいです。
また、経血でナプキンが汚れる範囲はどうしても広がってしまうため、「ビデ洗浄」より広範囲をやさしく洗える「ワイドビデ洗浄」もあります。粒の細かなシャワーで、広い範囲をフワッとやさしく洗浄できます。生理中の敏感な肌も、包み込むように洗えるのが特徴です。
スポット的にしっかり洗いたい場合は「ビデ洗浄」、広範囲をやさしく洗いたい場合は「ワイドビデ洗浄」と、きれいにしたい場所やお肌の調子によって使いわけられます。
「使えばさっぱりする」なのに使用率は5割以下
—— 生理のとき、広範囲にやさしく洗えるのは助かりますね。
TOTO:「ビデ洗浄を使用したとき、どのような気分になりますか」というアンケートで「さっぱりする」という回答が最も多く、生理のとき以外にも、汗やムレが気になるときや、気分をリフレッシュしたいときなども、ビデの使用をおすすめしています。
—— 生理のとき以外でも使うことができるのなら、さまざまなシーンで多くの人がビデを活用しているのでしょうか。
TOTO:残念ながら、ビデの使用率は5割弱です。とくにノズルの衛生面が気になっている方が多くいることもアンケートからわかりました。これまでにビデ洗浄を使ったことはあるが、直近1年以内にビデ洗浄を使っていない方も約3割います。
TOTOでは汚れをはじく素材をノズルに採用し、さらに後ろ側から斜めに水が出るため洗浄後の水はノズルにかかりにくくなっています。ウォシュレット使用前後にノズルを水で洗浄する「セルフクリーニング」に加え、トイレ使用後は水から作り出した除菌成分(次亜塩素酸)を使ってノズルの内側も外側も自動で洗浄します。
若い人ほど「ビデ」の使い方を知らない
—— セルフクリーニングに除菌まで…そんな技術が発展していたなんて知りませんでした。
TOTO:ノズルから出る水が、どこの水かわからず心配で使えないという声もいただきます。ウォシュレットで使う水はすべて水道水で、飲むこともできるキレイな水です。
また、10代の方の約50%が、いままでに「ビデ洗浄機能」を使ったことがないという結果も出ました。生まれたときから家にあるけれども、「ビデ」というボタンは何に使うものなのか、そもそも知らないことがわかりました。
—— そうなんですか。子育て世代としては将来的に性教育の一環として、家庭で教える必要がありそうです。
TOTO:以前は不衛生な手でフェムゾーンを触るのはよくないという意味で、母親から「触らないように」と教えられた人も多く、連想されるイメージが性的なものにつながることを嫌って、日本ではこれまでビデも「避けて通る」テーマだったと思います。
時代も衛生環境も変わりましたので、お子さんの初潮のタイミングなどで、経血を流して清潔にするには入浴やシャワー以外にビデの選択肢もあると、ご家庭でお話していただくのはひとつの方法ですね。
その際、洗うのは外陰部のみであることや、洗いすぎは乾燥をまねき、かえってよくないことなども一緒に伝えてほしいです。一人でも多くの女性にビデを知って活用してもらい、上手く生活に取り入れて生理やフェムゾーンの不快感を軽減してもらえたら嬉しいです。
取材・文/清宮あやこ 画像提供/TOTO
※ウォシュレットはTOTO株式会社の登録商標です