今年1月、映像メディア「PIVOT」に参画した元TBSの国山ハセンさん。退職前に担当していた「news23」のキャスター時代と比べ、生活パターンは大きく変わったと語ります。(全5回中の2回)

 

国山ハセンさん

スタートアップのスピード感が「楽しい」

── TBSから映像メディアのスタートアップ「PIVOT」に転職して半年近く経ちましたが、今の生活はいかがですか?

 

国山さん:毎日が充実していて、本当に転職してよかったなと感じています。

 

── 何がいちばん良かったと感じていますか?

 

国山さん:自分で取材をして、意思決定して、番組制作ができるというところがいちばん大きいです。自分で企画したものが作品になる喜びもあります。あとは、スタートアップなので、組織としては小規模ですけど、一歩一歩成長していくさまを見られている実感があって、そのスピード感も含めて楽しいですね。

 

国山ハセンさん
転職後の国山さん。プロデューサー兼タレントとして、番組制作をしながら出演もしています(写真提供/本人)

──「PIVOT」は正社員ではなくプロフェッショナル契約という形だそうですね。会社の規模は今どのくらいなのでしょうか?

 

国山さん:僕みたいな人も含めれば、30人ぐらいの規模です。今年が創業3年目で、2021年に創業、去年から活字から映像中心の事業にシフトしました。僕は創業2年目の、ちょっと遅れた初期メンバーみたいな位置で滑り込めたのもよかったと感じています(笑)。

 

── 創業期の企業は勢いがある一方、大企業と比べて制度などが整わないイメージもあります。戸惑いはなかったですか?

 

国山さん:僕もそういう話を聞いていたんですが、思っていたよりカオスじゃなかったです。「PIVOT LAWS」という今年の規範があるんですが、メンバーはこれに基づいて考えたり行動したりしていると感じますね。

 

今までは会議もリモートが多かったですが、最近ではリアルで会うことも増えてきて、週2回、定例会で集まっています。メンバーの顔を見てコミュニケーションが取れるのは、やっぱりいいですね。大企業にいたときは、意外と密にコミュニケーションを取れないところもあったのですが、今はコミュニケーションを取らざるを得ないので、そこはいいなと感じています。

 

国山ハセンさん
移転したばかりの広々としたオフィスで撮影。以前はマンションの一室をオフィスとして使っていたそう

半分社員、半分フリーランスのような働き方

── 今はどんな働き方なんでしょうか。

 

国山さん:映像チームが集まる会議は週に2回程度で、それ以外は基本的に自由にスケジュールできます。収録が入ったり、会議がリモートで入ったり。早朝から深夜まで仕事、みたいなことはほとんどないので、かなり健全なんじゃないかなと思います。

 

── フリーランスの働き方みたいですね。

 

国山さん:僕個人はそんな感じですね。あえてそういう契約にしてもらっているので、タレントとしてメディアにも露出しながら、「PIVOT」の仕事を中心に働いています。

 

スケジュール管理も自分でできるので、どんな仕事を受けるのかという判断や対応も自分で行います。半分社員で半分フリーランス、みたいな働き方かもしれませんね。

 

国山ハセンさん
コメンテーターとして、フジテレビ「ワイドナショー」に出演する国山さん(写真提供/本人)

──「news23」のキャスター時代と比べ、生活パターンは変わりました?

 

国山さん:生活はもうまったく、180度変わった感じです。「news23」のときは夕方TBSに入って深夜に終わる、みたいなスケジュールでしたし、取材があるときは朝から取材に行って深夜に帰る、という感じで。体力的にはかなりハードでした。今のほうがすこぶる健康です(笑)。

 

国山ハセンさん
退職前は「news23」のキャスターとして活躍していた国山さん(写真提供/本人)

── 睡眠時間も少なかったんじゃないですか。

 

国山さん:そうですね。早くても帰宅は深夜2時くらいで、就寝も午前2、3時とか。子どもが起きるのが6時半とか7時なので、なかなか睡眠時間が確保できなくて。妻に午前中はお願いして、寝かせてもらうこともありました。ただ、それで妻と衝突することもあって。当時は苦しかったですね。

 

── 当時はまだお子さんは0歳ですよね。

 

国山さん:そうですね。当時はまだ生後半年ぐらいで、夜中でもミルクも作ったりする必要があって。一方、報道では突発的に「明日行ける?」みたいに取材が入ったりすることもあるので、スケジュール的にはきつかったですね。妻もハードだったと思いますが、僕は仕事とのバランスを取るのが大変でした。

 

国山ハセンさん
TBSアナウンサー時代は、仕事と育児とのバランスに悩むことも多かったそう

「ワンセットの家事」ができるようになった

── 奥様と衝突されたというお話もありました。

 

国山さん:そうですね。ただ、衝突の原因を突き詰めると、コミュニケーション不足だったと気づいて。それからは、ちゃんと話し合うようにしよう、と決めました。

 

あとは、家事や育児の分担を決めるといったコミュニケーションを意識するようにしました。もちろん、完璧じゃないですよ。今もときどき衝突しますし。ただ意図的にコミュニケーションを取ろうとしないとダメだな、と。

 

国山ハセンさん
転職後はたっぷりお子さんとの時間を過ごせるようになったという国山さん(写真提供/本人)

── 育児や家事分担って、決めることでお互い窮屈になってしまうパターンもあるので難しいと思うのですが、国山さんはうまくいったのですね。

 

国山さん:そうですね。すごく細かく分担を分けた感じではないんですが、ルールを決めたことで能動的に自分が行動できるようになりました。例えば「これは妻がやってくれる」とわかったうえで、自分が他に何をできるかを先回りして考えられるようになりましたね。

 

家事や育児って、ワンセットでやることがあるじゃないですか。ゴミを捨てたらゴミ箱に袋をセットするとか、食事が終わったら食器をすぐ洗う、とか。細かいことですけどね。そういうのができるようになったのは、よかったなと思います。

 

PROFILE 国山ハセンさん

プロデューサー・タレント。1991年生まれ。2013年TBSにアナウンサーとして入社。「アッコにおまかせ!」「news23」などで活躍。2023年1月から映像メディア「PIVOT」に参画。

 

取材・文/市岡ひかり 撮影/植田真紗美