ドラマ「ブラッシュアップライフ」で話題の天才子役・永尾柚乃さん(6)。脚本も書いているというしっかり者の基礎を築いたのは、自主性を重んじる教育方針でした。
3歳ごろ「真剣にやりたい」と言い出した
── 柚乃さんは何歳から子役として活動しているのでしょうか?
お母さん:1歳半ぐらいからです。実は申し訳ないのですが、最初は「記念になれば」くらいの気持ちでスタートしました。
── 最初のお仕事はどんなお仕事でしたか?
お母さん:ありがたいことに、最初からドラマのお仕事をさせていただいて。三浦友和さんの孫の役だったんです。
柚乃さん:なっつかしい〜!
お母さん:(笑)。以来、「楽しそうだな」という案件をちょこちょこやらせてもらっていたんですが、3歳ごろから本人が楽しくなって「真剣にやりたい」と言い出したんです。そのころから本格的に活動をはじめました。
現場で培った演技力
── 柚乃さんはどこかで演技のレッスンを受けたのですか?
お母さん:実はレッスンには行ってなくて…。
── そうなんですね!とても自然な演技なので、てっきり通っていらっしゃるのかと…。
お母さん:以前、何度か事務所主催のレッスンに行ったことはあるんですが、継続的に通っているわけではなくて。いい作品やスタッフさんに出会えたので、現場で育ててくださっているんだと思います。
── お母さんに演技のご経験がある、でもなく?
お母さん:それがまったくなくて(笑)。コロナ禍のときは、動画オーディションが多くて、こちらで撮って送るんですけれど、私が相手役をやったんですね。でも、それが恥ずかしいくらい棒読みで…(笑)。
── そうだったんですね。
お母さん:セリフも覚えられなくて、本当に申し訳ないなって。でも最近、柚乃に「うまくなってきた」と言ってもらえています。
柚乃さん:ママ、うまいよ!
お母さん:「大丈夫、ママだったらできるよ」っていつも励ましてもらっています(笑)。
子育てで大事にしているのは自主性と礼儀
── 普段の柚乃さんは、どんなお子さんですか?
お母さん:優しい子なんです。3、4歳のころに、びっくりしたことがあって。私が体調が悪く、横になっていたことがあって。そうしたら、柚乃が、教えていないのに洗い物とかしてくれて。サラダも作ってくれたんです。
柚乃さん:作ったね~!トマトとレタスと、きゅうりと…。
── 3、4歳で!?すごいですね!
お母さん:あと、小学校に上がる少し前に、柚乃から「小学校に入ったら、オーディションとかひとりで行くから、ママはおうちでゆっくりしていていいよ。ついてくるの大変でしょ?」って言われて。さすがにそれはマネージャーさんと一緒に止めました(笑)。
── すごくしっかりしていますが、小さいころから続けている習慣はありますか?
お母さん:絵本は以前からよく読んでいて、たくさん持っていますね。テレビもバラエティとドラマが好きで、よく観ています。アニメはあまり見ないかもしれません。
── テレビや動画の視聴時間は制限していますか?
お母さん:基本的にはしていないですね。寝る時間は決めているんですけれど、ずっとテレビを観ていることはないです。絵本を見たり、脚本を書いたりしていますね。
── 子育てのうえで、心がけていることやモットーにしていることはありますか?
お母さん:自分で決めさせるようにはしています。細かいことなんですけれど、例えば、お食事に行くときは自分でメニューを決めさせる、とか、小さなことから実践しています。
── それはどうしてですか?
お母さん:大人になったときに、自分で判断できるようになってほしいんですよね。将来は、自分がしたいことをしてほしい、という思いがあるので、小さいときから自分の意思を言葉で表現できるようになってほしいです。
あとは礼儀。挨拶や会話するときの態度については厳しく教えている気がします。
将来は、監督しながら脚本も書ける人に
── 柚乃さんは、将来は監督になりたいそうですね。
柚乃さん:はい!監督しながら脚本も書ける人になりたいです!こうやって…(映画監督風の難しい顔をする柚乃さん)。
── (笑)!どうして監督をやってみたいと思ったんですか?
柚乃さん:かっこいいのがいいんですよ!カチンコも家にあります!
── そうなんですね!カチンコは助監督さんだけど…。
柚乃さん:助監督さんになってから監督になるので、今から練習しているんです!あと、ある監督さんに「監督だって思ったら監督なんだよ」って言われたんです。
お母さん:ある有名な監督さんに相談したときに「自分で自分を『監督だ』と思ったら、それでもう監督だから。柚乃ちゃんはもう監督になれているよ」って言われて。それを座右の銘にしているんです。
── かっこいいですね!脚本はこれまでどんなものを書いたんですか?
柚乃さん:「不思議なトンネル」っていうのがあって。それは、ある子がいつもの帰り道でトンネルを見つけて、そこでガイコツに出会って「こっちへどうぞ~」って言われる話です。
もう一つは、悲しい話で、死んだ人の顔が見えるっていうのですね。あと、もう一個アイデアがあって、「不思議な冒険」っていうのなんですけど、それはまだ作ってないんです…。
── そういう脚本のアイデアはどうやって湧くんですか?
柚乃さん:ママの心をぐぐぐ…、ばーんって自分に入れてる感じですね。
── 今後の芸能活動はどのように続けていくお考えですか?
お母さん:基本的には本人に任せています。勉強はおろそかにしないようにね、というくらいで、本人に任せようかな、と。学業に差し支えない程度にお仕事を入れさせてもらっています。
将来、脚本家や監督さんになりたいなら、お勉強もしておかないといけないと思うので。
── 今後のご活躍が楽しみです!ありがとうございました。
PROFILE 永尾柚乃さん
2016年生まれ。バカリズム脚本のドラマ『ブラッシュアップライフ』で安藤サクラさん演じる主人公・麻美の少女時代を演じ、自然な演技が話題に。
取材・文/市岡ひかり 写真提供/永尾柚乃