引き締まった表情も魅力の寺田心さん
引き締まった表情も魅力の寺田さん

すでに将来の目標も定まっている中3の寺田心さん(14)ですが、“克服”すべき課題があるようです。役者論からトレーニング方法まで、ストイックな一面を教えてくれました。

着ぐるみに手足を入れるように…

── 3歳から芸能活動をしていますが、演じることの楽しさは小さいころから感じていましたか?

 

寺田さん:そうですね。いつもとは少し違う自分になれたり、ぜんぜん別の人間になれたりするのはすごくおもしろいなと思います。その役が、どんなことが好きでどんなことをしたくて、今どんなことを考えているんだろうかと想像します。

 

その人が体験したことを、まるで自分も体験したかのようにイメージします。着ぐるみに手足を入れて、その人になるような感じです。

 

── 着ぐるみをイメージするっておもしろいです。

 

寺田さん:ちょっとずつ手足を入れていって、その人になれた瞬間がいちばんおもしろいです。賞をいただいたり、褒められたりするのもうれしいけど、違う誰かになれた瞬間の喜びはとても大きいです。

 

── セリフはどう覚えますか?

 

寺田さん:家の中で、台所をずーっと行ったり来たりしながら覚えます。歩きながら身振り手振りをして、現場で実際にセリフを言っているように体に覚えさせます。

 

ツツジの前で顔がほころんだ寺田心さん
ツツジの前で顔がほころんで

将来は役者と獣医師を両立

── ケーキを作りながらその知識をつけていくのと、同じような発想ですよね。

 

寺田さん:そうですね。目とか声だけではなくて、いろいろな感覚を使うことが大事かなと思います。体全体を動かしながらだと体が覚えてくれるので、いい覚え方かもしれないです(笑)。

 

── 今までやってきた役で、印象深いものはありますか?

 

寺田さん:なんだろう…。印象深いものはひとつだけではなく、たくさんあります。ひとつひとつ大切に考えてきたので、どの作品も思い入れは深いです。最近の作品だと『ひきこもり先生 シーズン2』(NHK)の松田篤人の役ですね。

 

ヤングケアラーの役でしたが、難しかったです。今のこの時代に生きている僕たちをそのまま描いたようなドラマだったので、自分を演じているような感覚なんです。

 

誰かになるということが、そのときはできなかったので、今までの方法が通じませんでした。そこが少し難しかったけどある意味、自然体で演じられたので、おもしろかったですし、得ることも多く、勉強になりました。

 

── お芝居はずっと続けていきたいですか?

 

寺田さん:続けたいです。将来は役者さんと両立させながら、獣医師さんにもなれたらと思っています。大学の獣医学部に入って獣医師の免許を取って、自分の手で悲しい子たちをたくさん助ける。これを実現できるように、何事も楽しんで頑張っていきたいです。

 

寺田心さん

ブクブク沈んで苦手になった

── 心くんなら、きっと実現できると思います。なんでもできる印象がありますが、弱点はありますか?

 

寺田さん:僕、泳げないんです。運動神経が悪いわけではないですけど、水に弱くて。小さい子が使う、肩にはめる浮き輪をつけてプールに入ります。なにもつけないままだと、友達に「力抜いてみな、浮くよ」と言われてやってみても、ブクブク沈んじゃう。それで、だんだん苦手になってしまい…。

 

── 水に浮いたなと感じたことはない?

 

寺田さん:それが、ないんです。泳ぐのが嫌いなわけではないのに泳げないのは悔しいし、恥ずかしい。やっぱり泳げたほうがキラン!とするイメージがあるので、今年中には頑張って泳げるようになりたいです。

 

── もしかしたら、筋肉質なのが関係しているのでは?

 

寺田さん:中学のバスケ部全体のなかでは、筋肉はあるほうだと思います。でも、僕は腹筋4つくらいには割れていますが、バスケ部のみんなは6つなんです。ちょうど部の友達と「今年の夏はプールに行こう」って話をしていたんです。そこで、みんなよりお腹が割れていなかったらカッコ悪い。それで最近、腹筋トレーニングを始めました。

 

寺田心さん

腹筋が6つに割れていたらカッコいい

── どういうメニューなんですか?

 

寺田さん:プランクといって脚を伸ばした状態でうつぶせになって、両肘をつけたまま上体を起こします。それからつま先で下半身を持ち上げて一直線になって、その姿勢をキープするんです。1セット10分くらいの動画のメニューを3セットやります。

 

その3回が本当にキツイんです。1回終わっただけで、笑ったら腹筋が痛くなるレベルなんです。でも、毎日やっています。ちょっと疲れたなという日でもやります。腹筋がチラッとみえたとき、6つに割れていたらカッコいいから。

 

──「カッコいい」は大事ですね。

 

寺田さん:大事です。カッコよくなりたい(笑)。

 

PROFILE 寺田心さん

2008年、愛知県生まれ。3歳から芸能活動を開始。CMやバラエティ番組で人気者に、’17年にはNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも出演。中学校ではバスケットボール部に所属。ケーキ作りの資格も所持。

写真/CHANTO WEB NEWS