2020年に結婚した相席スタートの山﨑ケイさん。結婚した時点で38歳でしたが、5歳年下の旦那さんとは、どのように妊活について進めていったのでしょうか。

子どもがいない人生もいいか、と思っていたら 

── 2020年に結婚されました。結婚生活はいかがですか?

 

山﨑さん:絶対的な味方がいる安心感がありますね。旦那はすごく褒めてくれるし、イライラすることが圧倒的に減りました。相方の山添にも丸くなったって言われます。

 

── 結婚されたのが38歳でしたが、旦那さんと出産についてお話をされたそうですね。

 

山﨑さん:私は旦那の5歳年上ですが、結婚が決まった時点で、年齢的にも必ず子どもができるとは限らないと話をしたし、旦那もわかってるって言ってました。実際、結婚して2人だけの生活も楽しくて、いつまでに子どもが欲しいとか、妊活について具体的な話もしなかったんです。

 

子どもについて話が進んだのは、結婚から半年くらい経った頃ですね。旦那が、そろそろちゃんと考えたほうがいいと言ってくれて。でも、妊活、妊娠するとなると、私が仕事を休まないといけないとか、妊活してもできない可能性もあるとか、2人でたくさん話をして、それでもできたら欲しいねとなって。ブライダルチェックを受けたのがはじめですね。

 

── ブライダルチェックには、夫婦で行かれたそうですね。

 

山﨑さん:私は、特に体には問題ないけど、卵巣年齢が年相応って言われて…まぁ、若くないってことですよね。旦那は、問題ないと言われました。

 

最初は排卵日を病院で調べて、自然妊娠を希望したのですが上手くいかず。そこから不妊治療をして、1年くらい経ったときに妊娠しました。2022年の10月くらいですね。結果的には早いほうかもしれませんが、なかなか先が見えなかったです。

悪意のない言葉に笑顔で答えて 

── 不妊治療は、人によって期間もさまざまです。

 

山﨑さん:最初は、採卵した卵子が全滅でした。卵子の質も悪くて、数も取れなかった。そのときがいちばん辛かったですね。あぁ、無理なのかもって。

 

それまでは、「今月妊娠したら4月生まれだからいいな」とか、「男の子がいい、女の子がいい」なんて話をしてたけど、そんな次元じゃないなっていうか。妊活をはじめる前は、子どもがいない人生もいいかなって思っていたはずが、妊活をはじめてからすごく欲しくなっていったんだと思います。

 

ただ、妊活はなかなか先が見えないです。絶対手に入るかわからないものに、時間とお金を掛けて、さらに体にも心にも負担がかかるのが本当にキツかった。「妊娠しました」ってなった瞬間は、あのとき頑張って良かったってなりますけど、それがいつなのか。思うような結果になるのか。あのとき頑張ったのに、なんだったんだろうって思う可能性もありますし。

 

妊活中は、注射をしたり、膣錠という薬を自分で入れたり、やることもたくさんあるんです。病院に通院しながら、事情を知らない友達から「子どもとかどうするの?」「今年できたら同級生だよ」って言われて、悪意がないってわかってるけど、そういう言葉をかけられて嫌だなって思う自分も嫌だったし。友達の妊娠におめでとうって素直に思えない自分も嫌でした。

 

── 4月に妊娠を公表されましたが、マタニティマークもつけるか迷っているとか。

 

山﨑さん:体調を見て相談ですね。もちろんマークをつける意味も十分あると思います。ただ、自分が妊活中に複雑な気持ちになったことがないかといえばあるし。あと赤ちゃんマークをつけて電車に乗っても、席を譲られなかったらイライラしちゃうのもね。今は体調もすごくいいので、今後も体調と相談しながらそのときに応じて、でしょうか。

 

今は、無事出産できるまでどうなるかわからないし、精神的に穏やかな環境にいられたらいいなと思ってます。

 

PROFILE 山﨑ケイさん

千葉県出身。2013年山添寛と相席スタートを結成。趣味は旅行、食べ歩き、料理、他人の恋愛の悩みを解決すること。

 

取材・文/松永怜 撮影/長谷川裕之