仕事に家事に子育てに、日々邁進するイラストレーターの横峰沙弥香さん。自宅が仕事場だからこその楽しみや苦労、仕事を捗らせる工夫などを、ちょっと笑えて癒やされるイラストとともに紹介します。今回のテーマは「動画コンテンツ」。web動画のメリットを理解している横峰さんも、娘から「YouTuberになりたい」と言われてすぐに賛成はできず…。悩んだ末にとった行動は?
「まだ早いと思ったけど」YouTuberになりたい娘のために考えた作戦
web動画って正直便利。たとえば揚げ物なんかをしていてキッチンに来てほしくないときや泣き止ませたいときの必殺技として、私ひとりでは賄えないエンタメのサポート役として(YouTubeで動画を見ながら一緒に踊ったり)などなど、数え上げればキリがないほどお世話になりました。
お料理はレシピを読むよりも動画で見るほうがコツが掴みやすいし、小学2年生の息子に算数をわかりやすく教えるのにもYouTubeの動画は頼りになります。ここまで一般的なコンテンツとして広がった文化です。もう完全排除は難しいと思うので上手につき合っていきたいと考えています。
そんなある日、5歳の娘・ゆめこが「YouTuberになりたい」などと言い出しました。8歳の息子・まめももれなく通った道。芸能人やアイドルに憧れるような感覚でしょう、その気持ちはおおいに理解できます。
だけどまだ早いと思うんだよね、企画・演出・撮影に動画編集、出演するのであればトーク力に加えて演者としての魅力も当然必要になってくる。
そもそもYouTubeというツールを通して何を発信したいのか。YouTuberとして活躍している皆さんはそこがしっかりしているから続くんだよ、なんて小難しいことを言ったところで、ゆめこは首を捻るばかりです。本当にやりたければ自力で頑張ればよいと思いますが、今はまだ…。
悩んだ末に私は「まめゆめちゃんねる」と題して、まめとゆめこの日常絵日記をもとに短いアニメ動画を作り、YouTubeチャンネルを開設しました。
作画もアニメーション編集も私。音声は私の声を録音して子どもっぽいエフェクトをかけるなどして工夫。「まめとゆめこのキャラクターがしゃべる」という新鮮さにゆめこはすっかり夢中になり、無事にYouTuberデビューを果たせた?嬉しさで毎日ご機嫌です。
そして…毎日新しいアニメ動画のアップロードを要求される私は虫の息。
文・イラスト/横峰沙弥香